2013 Fiscal Year Annual Research Report
新しいソフトスチーム技術を応用して咀嚼・嚥下困難者用食材を調整する
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23500940
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Research Institution | Niigata University of Rehabilitation |
Principal Investigator |
山村 千絵 新潟リハビリテーション大学, リハビリテーション研究科, 教授 (30184708)
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Keywords | ソフトスチーム加工 / 咀嚼障害 / 嚥下障害 / 介護食 |
Research Abstract |
1,最終年度の研究成果概要 ソフトスチーム加工ニンジンの提供に適した対象者を明らかにするため、管理栄養士や施設スタッフおよび、咀嚼・嚥下機能の異なる施設入所者を対象とする試食と摂食評価を行った。 事前に本学近隣の特別養護老人ホーム、介護老人保健施設計20施設に対し、咀嚼・嚥下困難者の食事に関するアンケートおよび試食への協力お願いの文書を郵送した。回答のあった9施設のうち、6施設において管理栄養士等施設スタッフによる摂食評価の了承が得られた。評価時には、1パックの適切量や希望価格帯についても調べた。スタッフの評価では、おいしい、食べやすい、という感想が多かった。さらに、2施設では入所者を対象とした試食およびアンケートも実施した。普通食~きざみ食対象者には花型ニンジン、ミキサー・ペースト食対象者にはペーストニンジンを昼食時に提供した。いずれのニンジンとも、おいしい、食べやすい、と好評であった。一方で、ニンジンらしい味が少ないとの声もあった。 2,研究期間全体を通じた研究成果概要 ニンジンをソフトスチーム加工して適度な物性に調整し、それを用いて、まず健常者で官能評価と生理学的検査を行った。その後、軽度の咀嚼・嚥下困難者を含む施設入所者に試食およびアンケートを実施した。 ニンジンは標準温度(85℃)で標準時間の約2~3倍(90~120分程度)加熱すると、軽度の咀嚼障害者向けの形ある食材ができ、おいしく、食べやすく、栄養価も良好だった。なお、丸ごとよりもカット(輪切り)してから加工すると、より好ましい物性となった。しかし、咀嚼障害中等度以上者や嚥下障害者に提供する場合は、つぶすかペースト化する必要があった。ソフトスチーム加工食材の特徴は「おいしさ、甘さ」が優れているほか、無添加でありながら食べやすいことである。実際に、施設入所者に試食してもらったところ、おおむね良好な評価が得られた。
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Research Products
(4 results)