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2012 Fiscal Year Research-status Report

非α‐トコフェロールの生体内活性型はカルボキシエチルヒドロキシクロマン体である

Research Project

Project/Area Number 23500972
Research InstitutionKanagawa Institute of Technology

Principal Investigator

清瀬 千佳子  神奈川工科大学, 応用バイオ科学部, 教授 (50272745)

KeywordsビタミンE / CEHC / 共培養 / 3T3-L1細胞 / WEHI-274.1細胞 / 炎症性サイトカイン
Research Abstract

本研究は、ビタミンEの体内代謝物であるカルボキシエチルヒドロキシクロマン体(CEHC体)が生体内での生理活性体であることを証明することを目的として検討をおこなっている。特に脂肪細胞、脂肪組織の機能に対する効果を中心に検討したいと考えている。生活習慣病の発症への第一リスクとして肥満が挙げられているが、これは、脂肪細胞が肥大するとケモカインであるMCP-1を産生し分泌する事により単球を遊走し、脂肪細胞内へ浸潤する。脂肪細胞内へ浸潤した単球は細胞内でマクロファージ化し、TNF-αやIL-6等の炎症性サイトカインを産生、放出する事で全身に輸送され、これが各疾病発症での初発刺激となるのではないかと考えた。そこで、まずはマクロファージ浸潤脂肪細胞系の確立を始めることにした。脂肪細胞としては、マウス繊維芽細胞である3T3-L1細胞を用いることにした。単球細胞としては現在、3つの細胞を用いて検討を行っている。まず最初に、生理的条件下で行える事を優先にし、マウスの腹腔より腹腔細胞を採取し、それを成熟した3T3-L1細胞と共培養を行った。その結果、腹腔細胞には、単球だけでなくマクロファージがかなり多く含まれていた事から、腹腔細胞だけでも炎症性サイトカインを多く発現しているという結果となった。そこで、セルラインを用いることにし、マウス単球細胞であるWEHI274.1細胞を用いて共培養系を現在検討している。その結果、共培養4時間後で、IL-6のmRNA発現量は共培養する事でその発現が有意に上昇する事が確認できたが、TNF-αは共培養系よりも、WEHI274.1細胞単独の方がその発現が高くなっていた事から、現在、共培養の時間を延長して検討を行っている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

実験計画では、平成24年度までに、マクロファージ浸潤脂肪細胞系の確立と、その炎症に対する代謝物を含めたビタミンE同族体の効果について検討が終了している予定だったが、脂肪細胞の中で単球がマクロファージ化するというこれまでにない評価系を構築する事で予定よりも研究が遅れている。これまである既存の方法としては、マウス由来マクロファージ細胞であるRAW264.7細胞と3T3-L1細胞との共培養系は確立されている。このRAW264.7細胞はマクロファージ化しているにも関わらず、炎症性サイトカインを発現しないという特徴があるセルラインで、脂肪細胞と接触する事で、炎症性サイトカインを発現する。このRAW264.7細胞を用いての共培養法も同時に進行させている。しかし、肥大した脂肪細胞の中へ単球が浸潤することによりマクロファージ化するという仮定の元でのモデル細胞の構築である事から、単球細胞を用いる系を確立する事に意味があると思われる。現時点で、WEHI-274.1細胞と3T3-L1細胞との共培養の時間が短い事が原因の1つであると推察しており、培養時間を4時間から24時間まで延長する事で脂肪細胞への浸潤が可能になるのではないかと考えて検討中である。

Strategy for Future Research Activity

現在、マウス繊維芽細胞である3T3-L1細胞を成熟脂肪細胞へ分化させた後、マウス単球細胞であるWEHI-274.1細胞と共培養する事で、脂肪細胞の中で単球がマクロファージ化する炎症誘導脂肪細胞の確立を行っているが、共培養の時間を24時間まで延長する事でこのモデル細胞の確立が行えるのではないかと考えている。その条件が決定し次第、
ビタミンE同族体及び代謝物であるCEHC体での抗炎症効果について検討に入りたいと考えている。さらに、平成25年度の研究計画予定では、in vivo系の検討を行う事になっており、肥満から糖尿病や脂質代謝異常症へ進行するような肥満誘導モデルマウスを用いて、ビタミンE同族体の連続摂取の効果を検討する予定である。炎症誘導脂肪細胞系の確立とモデルマウスを用いて実験は研究遂行状態によっては並行して行う予定である。特に脂肪組織を採取し、MCP-1、TNF-α、IL-6のmRNA発現に対してどのような効果があるのか、また、脂肪組織を中心に体内でのビタミンEからCEHCへの代謝へどのような影響があるのかについても定量分析する予定である。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

次年度使用する予定の研究費が生じたのは、炎症誘導脂肪細胞の確立を行うために、単球細胞の方を3つ系を検討しながら遂行した結果、次年度に検討が持ち越された事で生じたものと思われる。次年度は平成24年度と合わせた研究費でモデル細胞の確立を行いたいと考えている。また、平成25年度の研究計画では、モデルラットを用いると記載しているが、これまでの研究実施状況から考えると、モデルマウスに変更した方が一連の考察ができると思われるので、モデルマウスを用いて検討を進めることにした。

  • Research Products

    (1 results)

All 2013

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 脂肪組織における炎症誘導に対するトコトリエノールの効果2013

    • Author(s)
      中村彩愛、武藤知衣、瀬戸口洋、五十嵐脩、清瀬千佳子
    • Organizer
      日本ビタミン学会第65回大会
    • Place of Presentation
      一橋大学・一橋講堂
    • Year and Date
      20130517-20130518

URL: 

Published: 2014-07-24   Modified: 2020-04-06  

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