2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23501020
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
前原 俊信 広島大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (50190319)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅田 貴士 広島大学, 教育学研究科(研究院), 講師 (40451679)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 3D / 立体視 / 物理教材 / シミュレーション / 拡張現実 |
Research Abstract |
初年度は,3D立体視環境の整備,3D立体視を実現する物理教材の開発,また,これを用いて教育現場で評価するための環境整備を実施した。 3D立体視の環境については,まず,PCのディスプレイで偏光方式とフレームシーケンシャル方式の立体視を実現できるような環境を整備した。また,プロジェクターで投影するための環境も必要なので,フレームシーケンシャル方式に対応したプロジェクターを準備した。 本研究の中心となる物理教材の開発としては,2つの課題について研究している。まず,3D電気回路シミュレータについては,画面上の偶数ラインと奇数ラインで右目用と左目用の画像を表示できるようにし,PCディスプレイによる立体視を実現した。今後は,教育現場での評価を目指して,これを拡張して,プロジェクター投影によるフレームシーケンシャル方式の立体視が可能になるようにする予定である。次に,拡張現実を用いたシステムでは,電磁誘導における磁力線の付加を実現していたシステムをAction ScriptからC言語に移植して高速に描画できるようにした。これから3D化を検討する段階である。現実環境側において,カメラからの画像を左右独立にキャプチャすることも必要であるので,そのための環境も準備しつつある。 教育現場での評価のための環境としては,クリッカーを導入し,生徒の関心意欲を高める方法,回答を自動で収集する方法について,実践しながら検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
電磁誘導に関する拡張現実教材の3D化については,C言語への移植までしか進んでおらず,予定していた立体視への拡張はこれからである。しかし,3次元電気回路シミュレータの3D化については,次年度の計画であった立体視表示を一つの方式だけではあるが,実現することができた。ただ,これらを用いた試行授業は,まだ実施しておらず,ヘッドマウントディスプレイを使ったシステムについても,これから取り掛かるところである。従って,初年度に予定していた目標にやや遅れていると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
優先順位を次のように決めて研究を推進していく予定である。(1) 3次元電気回路シミュレータを使って試行授業を行い,教育的な評価を実施する。このための偏光方式のプロジェクターと眼鏡は,初年度に適当なものが入手できなかったが,フレームシーケンシャル方式から変換するフィルターが販売されることになったので,これを入手するよう作業中である。(2) C言語の3D用ライブラリを用いて,拡張現実教材における仮想環境の立体視化を実現する。現実環境の立体視化のための3Dカメラのキャプチャとの組み合わせについては取り組みを続ける。(3) 電気回路シミュレータと同様な回路を実現できる実験装置の開発に着手する。(4) ヘッドマウントディスプレイを用いた拡張現実教材の開発に着手する。ただし,ヘッドマウントディスプレイを用いたシステムについては,教育現場での実用性がまだ低いと思われるので,研究の進行状況をみて着手することとする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
(1) フレームシーケンシャル方式のプロジェクターからの投影を偏光方式に変換するフィルターによるシステムを購入する。これにあわせて,必要となるシルバースクリーンと偏光方式用眼鏡を購入する。また,成果発表のために旅費を使用するとともに,3D立体視対応のノートPCを購入する。(2) 拡張現実教材のための3Dカメラからのキャプチャに必要な機材を購入する。(3) 電気回路シミュレータの現実版の回路を作成するため,電子部品等の消耗品を購入する。(4) ヘッドマウントディスプレイを用いたシステムの開発に着手する場合は,ヘッドマウントディスプレイを購入する。
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[Presentation] 水圧実験教材の開発2011
Author(s)
秋山広之,梅田貴士,前原俊信
Organizer
日本物理教育学会年会第28回物理教育研究大会
Place of Presentation
広島県情報プラザ(広島市)
Year and Date
2011年8月9日-10日
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