2011 Fiscal Year Research-status Report
技術のグローバル化に対応した実学型EVの開発-工学と英語の協同学習-
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23501042
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Research Institution | Kanazawa Technical College |
Principal Investigator |
土地 邦生 金沢工業高等専門学校, 電気電子工学科, 教授 (30390446)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
直江 伸至 金沢工業高等専門学校, 電気電子工学科, 教授 (00249781)
松本 裕 金沢工業高等専門学校, 電気電子工学科, 教授 (70469584)
オグントインボ ボラジ 金沢工業高等専門学校, 電気電子工学科, 助教 (90601328)
小川 隼人 金沢工業高等専門学校, 電気電子工学科, 助教 (20536734)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 工学教育 / 技術英語 / 電気自動車 |
Research Abstract |
電気電子工学の基礎と英語を協同学習できるハイブリッド実学型教育用電気自動車を開発し、平成25年度の本校電気電子工学科の3年次学生実験で使用し大きな教育効果を得ることが本研究の目的である。この達成のために研究初年度の平成23年度は8月までに単独モータの制御技術を学ぶための体感型教育用電気自動車(EV)の試作車を完成し、電気電子工学科3年の学生実験授業で試用した。受講生8名を1グループとし9週連続の授業を実施、教員は外国人(2名)と日本人(1名)が担当、指導書も授業も英語である。受講学生は電気電子工学の基礎技術として4馬力モータ制御に関する組み込みソフト技術、センサ制御技術、PWM制御技術、モータ制御技術システムを英語で協同学習した。電気電子工学科の学生にとって組み込みソフト技術は敷居が高い。EV制御マイコンには当初予定のグラフィック言語型に代えて、楽しくわかりやすい資料が豊富で安価なArduinoを用いて学習意欲の喚起を促した。一定水準の制御技術習得がないと体感型EVの自在かつ自然な走行は難しい。「自在かつ自然に運転できる」ことを評価の参考にしたことで、受講生全体の技術および英語の習得意欲が明らかに高まった。本校では全員が無償貸与されたノートPCを所持しているので、「自分仕様の体感型EV」を製作し、学ぶことを楽しんでいた。複数モータの連携制御技術の習得も重要である。この技術を学ぶために、左右後輪駆動独立制御型EVの基本設計を完了した。左右後輪に独立して設けたモータの連携制御ができないと、自在で自然な直進、旋回、停止は難しい教育用EVである。なお、体感型教育用EVおよび左右後輪駆動独立制御型EVは、ハイブリッド実学型教育用電気自動車の基盤技術となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の実施計画は、1)9月までに体感型EVを完成し10月以後に実施の本校電気電子工学科の学生実験で教材として使用、電気電子工学の基礎と英語を協同学習する。2)9月までに教育用EVに設けるセンサの動作確認とプログラムを制作、10月以降に体感型EVに組み込みセンサ制御EVの走行試験を実施する。3)9月までにハイブリッド実学型EVの基本設計を完了し、10月以降にフレーム構造四輪駆動軽自動車を前輪駆動車に改造することであった。全体としては「おおむね順調に進展している」と自己評価している。特に、項目2)のセンサ制御EVを一部であったが10月以降の学生実験に供せたことは、「当初の計画以上に進展している」と自己評価している。本研究の交付決定額は申請研究経費の約80%である。この予算内で研究目的を達するために、最も研究経費を必要とするハイブリッド実学型EVの基本設計を次のように全面的に見直した。まず、ベース車両をフレーム構造四輪駆動軽自動車から競技用カート車両に変更した。やはり約100万円の予算減額ではベース車両に乗用車は使用できなかった。ベース車両の見直しは基本設計済みのモータ制御システムの全面的な見直しに繋がり、ハイブリッド実学型EVの製作開始時期が9月末となった。また、電源も変更した。当初の予定では燃料電池の採用やリチウムイオン電池なども検討していたが、ニッケル・水素電池(プリウス用中古)に変更した。最後に、モータ制御システムも再設計した。車両重量の大幅な減少に伴うモータおよびモータコントローラの変更と最適化を検討した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の推進方策は、提出済みの研究計画調書に記載の実施計画(表1)に従う予定である。まず、本研究は全体として「概ね順調に進展している」が、一部は「やや遅れている」研究項目がある。基本設計の見直しにより生じたハイブリッド実学型EVの開発の遅れである。まず、この遅れを速やかに取り戻す。4-6月期には実施計画の遅れは無くなる予定である。実施計画において、予定より半年早く実施される研究項目のものがある。体感型EVの学生実験である。本年度4-9月期には、昨年度の授業内容を再検討し、モータのセンサ制御に関する内容をより充実した体感型EVの学生実験を始める。次に、本年度4-9月期左右後輪駆動独立制御型EVのツインモータ化の基礎実験および走行試験を実施、10-3月期には試験走行を実施する予定である。また、新基本設計に従い競技用カート車両およびエンジンを購入し、ハイブリッド実学型EVを開発に着手する。10-3月期には試験走行を実施する予定である。このハイブリッド実学型EVでは電気電子工学の基礎技術である回生ブレーキを体感しながら習得できることが開発目標である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
繰り返し記述することになるが、実施状況報告書【現在までの達成度】に記述したように、本研究は全体として「概ね順調に進展している」が、一部は「やや遅れている」研究項目がある。ハイブリッド実学型EVの開発であるが、ベース車両をフレーム構造四輪駆動系自動車から競技用カート車両に変更した。大幅な基本設計の変更が生じ、実学型EV開発の全体スケジュールの遅れと予算執行の遅れに繋がったと思われる。【費用別収支状況等】に示される「次年度使用額444千円」は実学型EVの要素技術を開発するたに製作予定の左右後輪駆動独立制御型EVの製作費用に主に充当する予定である。本年度の研究委託費1300千円は、提出済みの研究計画調書に記載の実施計画(表1)に従い、200千円程度は、現在開発中の後輪独立制御EVのツインモータ化基礎実験および走行試験の費用に充当する予定である。また、本年度はハイブリッド実学型EVの試作車を完成させる予定である。委託費750千円程度は、昨年度再検討した基本設計に従いハイブリッド実学型EVの製作費用に、150千円を試験走行・改良費用に充当する予定である。残金200千円程度は学会発表関連費用に充当する予定である。
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Research Products
(6 results)