2012 Fiscal Year Research-status Report
出前授業方式による学生の環境教育実践力育成-「多国間環境問題解決型授業」を事例に
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23501060
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
宮薗 衛 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 教授 (00209909)
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Keywords | アニメーション教材 / 海の魚は誰のもの / 魚類資源と200海里 / 海洋資源の公正な管理・利用 / 多国間環境問題解決型授業 / 教員研修 / 教員養成 / 学生の授業開発 |
Research Abstract |
今年度は,多国間環境問題解決型授業開発事例として「海洋(水)環境」をテーマとする研究計画の第2年次である。持続可能な海洋環境の保全・資源管理という観点から、海洋の漁業資源に焦点化し、教材開発とそれを用いた教員養成・教員研修での実践、その成果の発表を行った。また、海外での事例開発や実践の可能性を探るための調査・研究交流に取り組んだ。今年度の成果の概要は以下のようにまとめられる。 1.海洋をテーマとする教材開発・授業開発事例を2回に亘り新潟市内での教員研修の場で提供し、授業実践への可能性を検討した。また、その成果を日本環境教育学会大会(立教大学・8月)にて自由研究発表した。 2.「海の魚は誰のもの」という鮭の回遊ルートと200海里経済水域の関係から、自然資源としての魚類資源の公正・効率的な利用・管理のあり方を考えるためのアニメーション教材を開発し、その途中経過・成果を日本社会科教育学会全国大会(東京学芸大学・9月)で発表・公表した。また、その発表を踏まえて、アニメーション教材の修正を図り、教材を完成させた。更に、本アニメーション教材「海の魚は誰のもの」を活用した漁業資源管理と保全授業プランを作成し、教員養成学部の講義で実践しその可能性について検証した。 3.アニメーション教材「海の魚は誰のも」とそれに基づく授業プランを基に、大学院生自らが授業プランを作成した。学生の授業構想・授業実践力形成のため手かがりとすることができた。次年度、本プランを基に学校で出前授業的に実践する予定である。 4.東アジアの海洋環境問題を複数の関連する国・地域の学校で活用し,教育実践するための教材として活用できるように、台湾での海洋資源管理・保全の事例研究に取り組んだ。また、今後の研究・実践交流の可能性について、台湾の学校と協議した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度は以下の目標を設定して研究に取り組んだ。1.「海洋環境」をテーマとして、海洋資源問題に関する多国間環境問題解決型授業の見直し・修正と教材・授業開発と出前授業の実践に取り組む。2.台湾の事例を取り入れた授業開発に取り組み、東アジアの国・地域の学校で共通して実践するための教材開発に取り組む。 1.については2回に亘る教員研修での出前授業・講座開催を実施し、全国学会でその成果を発表した。また、アニメーション教材を開発し全国学会で発表し、それを基に大学の教員養成課程の授業でも実施して有効性の検証を行った。更に、その教材を基にして大学院生による授業開発とその成果を検証した。 2.については台湾での事例開発のための調査研究取り組み、台湾の学校での情報交換をした。 以上の点から、予定した研究内容を概ね順調に行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、以下の目標を設定して取り組む予定である。 1.「海洋環境」をテーマとする教材開発と授業プランを修正・改善して、学生による学校若しくは教員研修の場での実践に取り組み、その有効性を検証する。 2.海洋環境」の教材開発と授業プランについて、韓国もしくは台湾の研究者・実践者との研究交流に取り組み、その成果について意見交換・検証する。 3.4年間の研究の第3年次研究に入り、新たなテーマ「大気環境」の教材開発に取り組む。中国の越境する大気汚染問題・黄砂問題を手掛かりに、多国間環境問題解決型授業・教材開発に取り組む。このために、東アジアにおける越境する大気環境問題に取り組んでいる社会科学者との研究交流を実施して、その知見に学び、教材開発・授業開発のヒントを得、学会発表もしくは誌上発表を行う。それによって、次年度の出前授業による検証のための準備を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は、以下の内容に取り組む。 1.「海洋環境」をテーマとした教材開発・授業開発とそれに基づく出前授業の実践と東アジアの国々の研究者・実践者との交流である。また、その成果を学会発表若しくは誌上発表する。 2.「大気環境」をテーマとする教材開発・授業開発とその途中成果の学会発表もしはく誌上発表に取り組む。 これらの計画を実行するために、以下の項目に研究費を使用する。海外研究者実践者との交流・教材開発のための海外旅費、研究成果の発表のための国内旅費、教材開発に関わる情報・専門的知識の提供を受けるための謝金、教材開発・授業開発のための謝金、その他教材開発のための文献購入費等の消耗品費に充当する。
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