2012 Fiscal Year Research-status Report
研究者・研究機関職員のアウトリーチ・スキル向上要件の研究
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23501061
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
小林 俊哉 九州大学, 科学技術イノベーション政策教育研究センター, 准教授 (90345140)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
緒方 三郎 北陸先端科学技術大学院大学, 大学院教育イニシアティブセンター, 特任准教授 (60401949)
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Keywords | アウトリーチ活動 / アウトリーチ・スキル / 研究機関評価 / モニタリング |
Research Abstract |
平成24年度は、研究機関と研究者の望ましい連携体制のあり方の解明に主眼を置いて調査研究を実施した。この課題は、研究代表者が実施した科研費補助金基盤研究(C)「定量的研究機関評価・研究評価のための『アウトリーチ指数』開発可能性の研究」において、平成21年3月と22年3月に実施した大学等の国内研究機関アンケート調査で入手したデータ分析を中心に行った。分析に使用したデータの概要は次の通り。調査対象:国公私立大学等合計150件。抽出基準:平成20年度科研費補助金採択配分額上位100位までの大学。科研費等公的資金の採択の多い研究機関では、アウトリーチ活動の実施がより強く求められると想定されるため。サンプル数:100件(回収率66.7%)。分析にはIBM SPSS Statistics Ver.21.0を使用しクロス集計を行った。 その結果、大学等研究機関の経営層(理事等)が、広報活動の運営に積極的に関与している場合に、所属研究者のアウトリーチ活動への協力が強い割合は60.2%と高いことが判明した(p=0.005)。また、広報担当者がアウトリーチ活動は広報部門のミッションであると認識している(広報部門が個々の研究者と協働すべきと考える研究機関も含めて)組織は、その所属研究者がアウトリーチ活動に協力的な割合が約75%と非常に高いことが判明した(P=0.000)。さらにマスメディアの報道を組織的にモニタリングしている大学等研究機関では、研究者がアウトリーチ活動に協力的な割合が約64%と非常に高いことが判明した(p=0.054)。以上の分析結果から、大学等研究機関において、研究者のアウトリーチ活動への指向性と所属研究機関の組織的関与が密接に関連していることが判明した。以上の成果から、研究機関・研究者の望ましい連携体制のあり方について提言を行う準備を完了することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度は、当初予定した研究機関・研究者の望ましい連携体制のあり方の解明に主眼を置いた調査研究を実施することができたため。研究実績の概要に記述した通り、大学等研究機関において、研究者のアウトリーチ活動への指向性と所属研究機関の組織的関与が密接に関連しているという知見を得ることができた。以上の結果から、研究機関・研究者の望ましい連携体制のあり方について提言を行う準備ができたためである。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、アウトリーチスキルの優れた研究者へのインタビュー調査とアンケート調査を実施する予定である。また24年度調査で明らかになった、国内の大学等研究機関において、研究者と研究組織が適切な連携体制を構築している事例について、追加のアンケート調査またはインタビュー調査を実施する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度に予定している、アウトリーチスキルの優れた研究者へのインタビュー調査とアンケート調査を実施するため、インタビュー調査のための旅費・交通費、テープ起こし費等を使用する予定である。またアンケート調査実施のための外部委託費等を使用する計画である。 また24年度調査で明らかになった、国内の大学等研究機関の中で、研究者と研究組織が適切な連携体制を構築している事例について、追加のアンケート調査またはインタビュー調査を実施する予定であるため、旅費・交通費、調査委託費、郵送費等を使用する予定である。 以上に加えて、研究成果発表のための学会参加費、旅費等の使用を予定している。
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