2014 Fiscal Year Annual Research Report
研究者・研究機関職員のアウトリーチ・スキル向上要件の研究
Project/Area Number |
23501061
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
小林 俊哉 九州大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (90345140)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
緒方 三郎 北陸先端科学技術大学院大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (60401949)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | アウトリーチ・スキル / アウトリーチ活動 / 研究機関評価 / アウトリーチ・モチベーション / モニタリング / 科学コミュニケーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の最終年度である平成26年度は、研究者のアウトリーチ・スキルを高度化するために必要な研究環境を明らかにした。平成25年度までに国内大学等研究機関と、そこに所属する研究者のアウトリーチ活動における組織内協力関係に焦点を当て、研究者のアウトリーチ活動を活性化させる要因を明らかにした。具体的には、大学等研究機関の広報担当者と所属する研究者との協働意識が所属研究者の協力度合いを高める上で必要であることを明らかにした。26年度は、国立大学法人 九州大学を事例として大学の広報体制と所属研究者の協力関係について広報担当者へのインタビュー調査を実施し、25年度に得られた知見の検証を行うと共に新たな課題を抽出した。 九州大学では、学内の広報戦略を策定、実行する組織として、有川節夫総長を本部長とする広報本部が設置された。この刷新によって、総長、理事・副学長等の経営層の広報活動への関与は顕著に強化された。体制刷新の第一の目的は、これまで広報室主導で進められていた広報活動を教員等研究者と共に進めていくことを強化することであった。これは本研究が25年度に明らかにした研究機関と研究者の望ましい関係性を実現したと言える。以上の環境の中で基本的に外部社会へのアウトリーチ活動は教員等研究者の自主性にまかされている。そうした環境の中で九州大学の教員等研究者は研究者としてのアクティビティの高い研究者ほど、外部社会へのアウトリーチ・アクティビティが高いという傾向が明らかになった。こうした傾向は九州大学以外の研究環境でも同様に見られる傾向であるか否かを検証していく必要がある。 本研究の主要目的は、研究者のアウトリーチ・スキルを向上させる要因を明らかにすることであるが、25年度と26年度の研究結果から、同スキルを向上させるために研究者と所属する研究組織との望ましい関係性について明らかにすることができた。
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