2013 Fiscal Year Annual Research Report
地理情報システムを利用した、小学校教師支援のための「祓川百科事典」の開発
Project/Area Number |
23501063
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
荻原 彰 三重大学, 教育学部, 教授 (70378280)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北村 淳一 三重大学, 生物資源学研究科, リサーチフェロー (00432360)
平賀 伸夫 三重大学, 教育学部, 教授 (90345934)
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Keywords | 環境教育 / 河川 / 干潟 / 治水 |
Research Abstract |
25年度は祓川河口と祓川の本川である櫛田川河口の間に存在する干潟について自然観察に利用できるデジタルハンドブックの開発を行った。このデジタルハンドブックには次のような特徴がある。1 GIS(地理情報システム)上に構築したため、観察地点の場所を把握できる。2 GIS上の観察地点とその地点での指導者用の情報がリンクしている。3 自然観察を行う時期や時間帯によっては見ることができない事物をコンピュータの画像により示すことができる。4 静止画では分かりにくいものについては動画で提示している。5 実験・実習的活動を行うため、実験キットと組み合わせることができる。ハンドブックは次の内容からなる。 1 干潟の概要 2 前浜干潟(干潟の構成物質、リップルマーク、潮の満ち引き、生物による水質の浄化 3 海浜植物(海浜植物の特徴・生きる工夫、海浜植物の住み分け、各種の海浜植物) 4 潟湖干潟(塩生植物、食物連鎖、カニ、巻貝) 5 人工護岸(人工護岸の環境と生物、護岸による干潟の分割) 6 ハマボウ群落 7 砂嘴とその成因 本研究においては23年度に祓川流域の自然と文化の調査、映像教材「祓川図鑑」の作成、24年度に「祓川図鑑」を利用した流域の小学校での授業実践、25年度に干潟の自然観察用のデジタルハンドブックを開発した。映像教材は祓川環境美化推進協議会に配布し、流域の小学校での教育に利用されている。小学校での実践は地学教育学会に論文として受理されている。デジタルハンドブックについてはまだ実践での試行を行っていないが、今後、干潟を研究している地元の中学校の生物部の生徒に使ってもらいながら改訂し、実践に利用できるハンドブックに仕上げていく予定である。このように各年度によって重点の置き方は異なるものの、それぞれにおいて一定の成果をあげることができた。
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