2012 Fiscal Year Research-status Report
認知主義・状況主義学習理論からアプローチするKOSEN型実技教育の再評価と標準化
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23501083
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Research Institution | National Institute of Technology, Toyama College |
Principal Investigator |
伊藤 通子 富山高等専門学校, 技術室, 技術専門員 (00537037)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩永 雅也 放送大学, 教養学部, 教授 (30151749)
後藤 尚弘 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50303706)
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Keywords | 技術者教育 / 状況主義学習理論 / 実体験型 / 高専 / PBL / ESD |
Research Abstract |
これまでの研究では、高専独自の実技教育を教育心理学理論に基づいて検証し、行動・認知主義のバランスと状況主義の要素導入が、教育効果に大きく影響していることを見出した。本研究では、変化が激しい情報化・グローバル化社会に適する技術者教育として、「KOSEN 型実技教育」を標準化・国際化し、工学教育の充実に寄与することを目的としている。平成24年度の研究成果は以下の通りである。 1、平成23 年度の研究成果に基づき2 順目のPDCA サイクルを回した。すなわち、23年度の研究成果に基づいてモデル教育プログラムを実施(DO)、実施した教育プログラムについて教育学理論に基づいた再分析・再評価を行い教育プログラムと教育評価方法の検討(CHECK)、「KOSEN型実技教育」として他の技術教育への応用を視野に入れた教育モデルを再検討(ACTION)、モデル教育プログラム(内容、教授法、教材、教育環境整備、教育評価等)を再検討し(PLAN)を繰り返した。 2、平成24年度は、研究分担者及び協力者から構成されるデザイン研究ネットワークによる研究会、および他高専、他大学とのワークショップ研究会(議論・相互評価、情報交換)3月までに合計36回開催、海外事例調査も行い、WEBページにより発信を行った。 3、最終年度に向けて、他高専や他大学での教育プログラム評価について情報交換を行い、統計ソフト等による教育プログラムの評価について検討を始めた。 4、他機関における技術教育への応用の可能性や汎用性(標準化)をめざして、モデル教育プログラムを客観的・総合的に評価するため、他機関や外国より関係者が一堂に会してのワークショップ研究会(議論・相互評価、情報交換)を平成25年度に開催するため、情報収集とプログラム調整など準備を始めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究推進のために平成23年度に結成したデザイン研究ネットワークによる研究会を計画通りに開催し、その成果を随時WEBページにより発信している。WEBページでは、富山高専5年生高分子化学IIの授業をモデル教育プログラムのひな型とした。教育プログラム評価についても準備を始めており、適正な評価手法についておおむね目途がついている。 また最終年度に向けて、他高専(熊本高専等)、他大学(富山大学、金沢大学、富山国際大学等)、海外大学(デンマーク・オルボー大学)および、その他の教育機関や団体とのワークショップ研究会(議論・相互評価、情報交換)の準備も始めている。
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Strategy for Future Research Activity |
1、平成25 年度は最終年度として、これまでの研究成果をまとめたマニュアル作成に向けて研究活動を推進する。 2、作成するマニュアルは他の技術教育への応用の可能性や汎用性(標準化)をめざす。そのため、研究分担者及び協力者から構成されるデザイン研究ネットワークによる研究会を、平成24年度に引き続き30回程度開催しWEBによる情報発信を行う。また、8月には、モデル教育プログラムを客観的・総合的に評価するため、他機関や外国より複数の研究協力者ネットワークの協力を得て、関係者が一堂に会してのワークショップ研究会(議論・相互評価、情報交換)を開催する。 3、特に、最終年度として本研究の成果に関するアウトリーチ活動を活発に行う計画である。重点検討項目は教育プログラム評価であり、他機関と情報交換を行いつつ、統計ソフト等による教育プログラムの評価について検討を行い、マニュアル作成に反映させる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は最終年度として、構築した教育プログラムの評価について検討を行い、本研究の成果に関するアウトリーチ活動及びこれまでの研究成果をまとめたマニュアル作成に反映させて、研究を完成させる計画である。 1、物品費(¥115,000)(1)図書費:マニュアル作成に関してこれまでに購入した図書に加えて、教育プログラム評価に関するものと統計手法に関する図書の追加購入が見込まれる。また、先行研究等に関する資料の追加購入が見込まれる。(2)消耗品費:教育成果のデータ整理のための統計解析用ソフトウェア、資料印刷経費である。 2、旅費(¥860,000)(1)最終年度は、研究成果の評価を目的とした、情報交換を頻繁に行う予定である。すなわち、関係者が一堂に会しての評価会、研究協力者に対するヒアリング、ワークショップ等の活動費である。(2)平成24年度の海外調査によるネットワークを活かしてデンマークより先行事例の研究者を招へいし、本研究の成果の評価を行う予定である。 3、人件費・謝金(¥85,000)ワークショップやヒアリング結果のとりまとめ、原稿起こし、教育の成果等の情報整理などのため資料整理補助や原稿起こしの業者発注のための経費である。 4、その他(¥100,000)平成25年度は、本研究の成果に関するアウトリーチ活動を活発に行う計画である。研究成果に関するワークショップ開催やWEB、マニュアルにより、成果を広く社会に発信する。代表者の平成25年度への繰越金(\129,404)は、平成23年度の研究開始当初、海外視察や講師招へいをアジア諸国と行う予定だったが研究の進展に伴いデンマークとなり予算増となることが明らかとなったため、平成25年度に繰り越した。8月に開催するワークショップ研究会に必要となってくる物品費と招へいする研究者の謝金、旅費等に使用する。
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