2013 Fiscal Year Research-status Report
大学におけるコミュニケーション教育の総合的カリキュラムの開発とFDへの展開
Project/Area Number |
23501111
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
山地 弘起 長崎大学, 大学教育イノベーションセンター, 教授 (10220360)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
保崎 則雄 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (70221562)
三隅 友子 徳島大学, 国際センター, 教授 (20325244)
田中 東子 十文字学園女子大学, 人間生活学部, 准教授 (40339619)
|
Keywords | 高等教育 / コミュニケーション教育 / カリキュラム / 国際情報交換 |
Research Abstract |
本研究は、21世紀型ジェネリックスキルの中核となるコミュニケーション力に焦点をあて、コミュニケーション学と学習科学の知見に基づいて大学のコミュニケーション教育の変革に資することを目的としている。 平成25年度は、コミュニケーション教育の総合的カリキュラムの開発に取り組み、研究代表者の所属大学においてコミュニケーション科目群を試行し、様々なアクティブラーニングを導入しながら半期単位のアクションリサーチを行った。これらを踏まえて、総合的カリキュラムを大きく「ヒトを学ぶ」「体験から学ぶ」「メディアを学ぶ」に分けて実践指針をまとめる方向で次年度の準備を進めた。 一方、これまでの継続事項として、異文化環境における日本語コミュニケーション教育に関する情報収集や、留学生と日本人学生が共修するドラマ手法を用いたコミュニケーション教育、医療従事者と医学生を対象としたロールプレイ形式によるコミュニケーション研修の開発も行っている。加えて、マイクロプレゼンテーション・クリニックの手法を用いた授業や、プレゼンテーションの様子をビデオ・フィードバックする異文化間授業等によって、メタ認知能力(自分を客観的に見る眼)や他者のプレゼンを「観る眼」を育成することも試みた。さらに、初学者のためにメディアツールやメディア文化のコンテンツを使用する方法論の検討を行い、教材として使用可能な映像コンテンツやウェブコンテンツの調査、及びそれを実際に用いて実施した授業のセルフ・エスノグラフィーを行った。 今年度の全体的な研究成果は年度末の京都大学での大学教育研究フォーラムで報告し、他大学の一般教員からもフィードバックを得た。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度は、これまで2年間の準備をふまえて大学(とくに教養教育)でのコミュニケーション教育の総合的枠組を整備することを目指した。併せて、アクティブラーニングの様々な形態を試行し、効果的な授業設計の方向を見定めつつある。全体計画のなかでコミュニケーション能力のアセスメント枠組の検討がやや遅れているが、最終年度の次年度に向かうにあたり、具体的なFD用成果物に向けての準備も進んでおり、概ね順調に進展しているといってよい。
|
Strategy for Future Research Activity |
最終年度となる次年度では、教養教育におけるコミュニケーション教育の内容と方法に関するFDプログラムおよびテキストの開発を計画している。年度前半においてこれまでの事例調査や実践研究を総括し、後半にプログラミングとテキストの分担執筆を行う予定である。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究分担者の海外調査が予定通り終了していない部分があるために、次年度使用額が残っている。とくにメディア文化とICT活用にかかわる教育内容・方法の海外事例調査が未了となっている。 メディア文化とICT活用にかかわる教育内容・方法の海外事例調査を完了させるとともに、コミュニケーション教育の総合カリキュラムの整備とFD用テキスト制作のための調査・実践研究のために使用する。
|