2011 Fiscal Year Research-status Report
医療系知識データベースを利用した知識活用能力の評価手法に関する研究
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23501119
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
下方 薫 中部大学, 生命健康科学部, 教授 (10022906)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 守弘 中部大学, 生命健康科学部, 准教授 (10281081)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 医療系知識データベース / 学習コンテンツ |
Research Abstract |
平成23年度は、本研究の基盤となる医療系知識データベースと病態・症状を示す学習コンテンツの開発を行った。医療系知識データベースについては、呼吸器系感染症の学問領域について、その知識体系と知識間の関連付けを行った。さらに、この結果を登録するためのデータベースをサーバ上に構築した。また、病態・症状を示す学習コンテンツについては、呼吸器系感染症の学問領域について必要な知識を体系化し、その結果は学習コンテンツとして開発した。さらに、本コンテンツを既存の画像・動画を簡単に編集・加工することによりコンテンツを作成するシステムを開発した。また、本コンテンツを電子書籍端末(iPad)で利用できる環境を整備した。さらに、平成24年度に予定している学生を対象とした実証実験に関する計画と評価基準の研究を行った。実証実験については、具体的には医療系の病態・症状研究の場面において、被験者(本学学生)を学力別に2グループに分けて、電子書籍端末上で呼吸器系感染症の設問に対して、学習コンテンツを参照しながら回答させる。最終的には、「学習者が病態・症状を認識する際に利用した知識に関する抽出度」と「知識間の関連性に関する理解度」を分析し、双方のグループの学習効果(病態・症状認識の適切性、思考の論理性の向上)を比較する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、まず平成23年7月より呼吸器系感染症の学問領域について知識の体系化を行った。具体的には呼吸器系感染症の学問領域を5分野(解剖生理学(呼吸器に特化)・微生物学・看護学・保健学・疾病学)に分け、各分野では合計55個の知識から構成される知識マップを作成した。この結果は、設けたサーバ環境に医療系知識データベースとして登録した。次に、抽出した55個の知識について電子書籍端末(iPad)上で動作するコンテンツ化の作業を行った。さらに、本コンテンツを既存の画像・動画を編集・加工することにより容易にコンテンツを作成するシステムを開発した。これにより、本研究の基盤となる「コ・メデイカル学習システム」のベースの開発は完了した。同時に、平成24年度に予定している学生を対象とした実証実験に関する計画を策定した。本実証実験では、本学の学生20名を対象に、成績上位者と下位者の2グループに分け、電子書籍端末でコ・メデイカル学習システムを利用し、呼吸器系感染症の設問に対して、学習コンテンツを参照しながら回答させる。また、本実証実験の評価基準の検討を行った。具体的には、「学習者が病態・症状を認識する際に利用した知識に関する抽出度」と「知識間の関連性に関する理解度」という2つの評価指標を定義した。これにより、平成24年度に行う本研究の実証実験の環境を全て整備することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は大きく2つの研究を行う。1点目はコ・メディカル学習システムの機能拡張を行い、実証実験の学習結果を評価するための環境を整備する。具体的には、被験者が設問を解くために必要な知識をアクセスした際に、当該被験者がアクセスした経路を自動的に抽出する機能を研究する。さらに、「利用した知識」と「上記のトレース結果」をもとに「学習者が病態・症状を認識する際に利用した知識に関する抽出度」と「知識間の関連性に関する理解度」を自動算出するプログラムを研究する。2点目は、コ・メディカル学習システムを利用した実証実験を行う。本実験は本学の学生20名を対象に、成績上位者と下位者の2グループに分け、電子書籍端末でコ・メデイカル学習システムを利用し、呼吸器系感染症の設問に対して、学習コンテンツを参照しながら回答させる。さらに、本学が行っている臨床医療現場においても本システムを活用し、電子書籍端末を利用した教育ツールとしての利便性・即時性についても評価する。また、実証実験の結果については、平成23年度に定義した2つの評価指標(「指標とその算出結果」と「データベースでの知識の関連付けの状」)を相互分析し、本研究の効果を検証するとともに、本研究で開発したコ・メディカル学習システムについても最適化の方向性を抽出する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度は引き続きコ・メディカル学習システムを利用するために、本システムを稼働させるための外部サーバのホスティングサービスを利用する。(本サービスは外注のサービスを利用する予定。)次に、コ・メディカル学習システムの機能拡張にあたり、被験者が設問を解くために必要な知識をアクセスした際に、当該被験者がアクセスした経路を自動的に抽出するプログラム作成、及び「利用した知識」と「上記のトレース結果」をもとに「学習者が病態・症状を認識する際に利用した知識に関する抽出度」と「知識間の関連性に関する理解度」を自動算出するプログラム作成を外部に委託する。また、平成24年度は本研究成果について、本学が育成している6つのコ・メディカル・スタッフに関連した学会や大学教育学会にて発表を予定しており、本発表に必要な交通費・宿泊費としての使用を計画している。
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