2013 Fiscal Year Annual Research Report
はり師・きゅう師における多施設共用臨床実習前評価のための客観的臨床能力試験の検討
Project/Area Number |
23501123
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Research Institution | Morinomiya University of Medical Sciences |
Principal Investigator |
鍋田 智之 森ノ宮医療大学, 保健医療学部, 教授 (00597817)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小島 賢久 森ノ宮医療大学, 保健医療学部, 教授 (40454681)
江川 雅人 明治国際医療大学, 鍼灸学部, 教授 (90223635)
鍋田 理恵 関西医療大学, 保健医療学部, 講師 (60249464)
野口 栄太郎 筑波技術大学, 保健科学部, 教授 (80218297)
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Keywords | 鍼灸 / 実技評価 / 評価者間の差 |
Research Abstract |
実技試験を異なる教育機関に所属する複数の教員で評価を行った場合の差について検証した。平成25年8月に「はり師・きゅう師の養成における臨床実習前評価に関するワークショッを開催し、参加した異なる教育機関に所属する17名の教員に実技試験の評価を依頼した。試験開始前に試験問題の内容、評価表、評価基準について説明した。訓練された2名(A・B)の学生に医療面接、整形外科的検査、はり実技、きゅう実技の試験を受験させた。試験は2部屋で同時に実施し、評価者はAの学生に9名、Bの学生に8名とした。評価結果は得点分布および評価項目別の標準偏差を比較した。医療面接では平均点の差は小さかったが、1名が欠点を付けた。整形外科的検査では項目毎の評価が大きく異なった。はり実技では、消毒や後揉捻の評価項目で標準偏差が大きくなった。きゅう実技では艾の大きさや透熱灸の熱緩和方法で標準偏差が大きくなった。評価者が付けた試験別の得点に順位を付けた結果、4つの試験の平均順位がAでは2.5位の教員から7.5位の教員に分かれ、Bの学生では3位の教員から6.5位の教員に分かれ、合否にも影響した。本結果から、評価者の基準が異なり、厳しい評価者と易しい評価者が存在し、これは所属する養成校の教育の違いから来ていると考えられる。各試験で評価者間の標準偏差が大きくなる項目は評価基準などを再検討する必要がある。複数の教員によって同一の試験を評価する場合、評価表および評価基準を改善し、事前の打ち合わせを行うことで差を減らすことは可能である。しかし、本結果から養成校間で最低限必要と考えられる項目の教育および評価が異なる現状が垣間見え、今後議論が必要であると考える。
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Research Products
(2 results)