2011 Fiscal Year Research-status Report
大学におけるクラウド環境を用いたプラグイン方式汎用ポータルサイトの開発
Project/Area Number |
23501140
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
東 昭孝 金沢大学, 総合メディア基盤センター, 特任助教 (80513134)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笠原 禎也 金沢大学, 総合メディア基盤センター, 教授 (50243051)
高田 良宏 金沢大学, 総合メディア基盤センター, 准教授 (30251911)
松平 拓也 金沢大学, 総合メディア基盤センター, 技術職員 (50397197)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 教材情報システム / ポータルサイトシステム |
Research Abstract |
現在ポータルサイトを持っていない各大学への導入に向けて,ポータルサイトを無償,または安価にポータルサイトを構築できる汎用的なポータルサイトを開発し,各大学の教育に役立つシステムの導入の手助けを行うことを目的として開発を進めた.今年度は,現在本学にて運用中のアカンサスポータルの機能を精査して,汎用ポータルとして必要な機能の絞り込みを行った.その後,必要な性能を満たすサーバを購入して,仮想化サーバが動作する環境の準備として,無償のVMWare ESXiをインストールして設定を行った.その仮想化環境上で,基盤となるシステムを仮想化イメージ上のサーバにCentOS(OS)をインストールして,認証基盤であるShibboleth IdPのインストールと設定,そのデータ領域としてOpenLDAP(LDAP)のインストールと設定を行った.認証基盤にテストユーザデータを投入後,汎用ポータルの動作環境の準備として,OSをインストール,ポータルのプログラムが動作するApache,PHP、Shibboleth SP等のインストールと設定を行った.またポータルのデータ保持領域としてデータベースサーバの構築を,認証基盤やポータルと同様に仮想化サーバ上にOSのインストール,データベースソフト(MySQL)のインストールと設定を行い,汎用ポータルの一連の開発が行えるクラウド環境の構築が完了した.現在サンプルプログラムや共通関数を開発中である.また開発を行ったドキュメントやモジュール等のファイル置き場としてSambaを用いてファイルサーバの準備を行った.進めた研究環境がハードウェア故障等で,データを失わないようにiSCSI機器を購入して,現在は手動によりバックアップを行っているが,定期的にバックアップする仕組みの構築も進めている.また,これらの構築手順をまとめた手順書も順次作成を行っている状況である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
仮想化サーバの構築を進めている中で,仮想化サーバ自体のソフトウェアのメジャーバージョンアップ,OS自体のメジャーバージョンアップがあり,構築のやり直しやドキュメントの修正作業を行った為,手戻りが発生したことで遅れが発生した.スムーズに進むと思われた作業も,予想に反して動作しないこともあり,その調査と対応に時間が取られたことも,原因の一つである.また,業務として本センターの機器類の大規模リプレースが行われ,運用,開発を行っているアカンサスポータルの動作環境を,仮想化に移行する等の作業が当初の見込みよりも,大きな工数がかかったことで,本研究に費やせる時間が少なくなったことも原因の一環である.今後は,研究期間中は大きなリプレースは予定されていないことや,運用しているアカンサスポータルに大きな問題がなくなってきている為,運用にとられている時間は少なくなっていく見込みで,遅れは取り戻せる算段である.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,ポータルの設計,プログラムの開発に力を注ぎ,データベースのスキーマ定義も同時に進めて,基本的な機能が実際に動作する環境を構築していく.プロジェクトの管理として,SVN等のソース管理ソフトを導入して,何かあった場合のロールバックや手戻りが発生しにくいよう管理する仕組みも同時に進める予定である.ある程度ポータルが動作するようになった段階で,本学での運用データを投入して,実際に動作させてみて,問題がないか検証を進める.発生した問題点,要望を精査して,改修を行ってテストを重ねていく予定である.大きな問題がないことが確認できた際は,可能なら他大学等の協力を仰ぎ,テストケースとして使用して,汎用的に使用することで問題がないか,更なる問題点の洗い出しや要望等を精査して,更に改修を進めていく.現在,急速にスマートフォンの普及が進んでいる為,携帯電話用サイトのみならず,スマートフォン用サイトの構築を優先的に進める予定である.本学のデータでは,既に学生の半数以上がスマートフォンに移行しており,利用率向上を考えて,携帯電話用サイトにかける割合は当初の予定よりも少なくして,その分をスマートフォン用サイトの開発に注力する.スマートフォンのみならず,タブレット市場も急速に伸びている為,タブレットでも問題なく動作するように開発を進める.更に運用時で問題が発生しても,運用が続けられるようにすることや,負荷を減らす目的としてロードバランサ用サーバの構築や,冗長化の仕組みも進めて,実際の運用に耐えられる仕組みの構築を進める.また研究成果の公開として,公開用Webサーバの構築を行い,外部に公開を行い,順次研究成果を公開していく予定である.その中で,テスターの応募も行い,できるだけ多くのテストケースを行えるように進めたい.機会があれば,学会や論文投稿等で,積極的に現在の状況や研究成果を公表していく.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
開発したプログラムのテスト用のクライアントとして,ノートパソコンの購入を計画している.開発したスマートフォン用サイトやタブレットの動作確認用のモバイル端末としてiPod,タブレットとしてiPad,Android端末の購入を計画している.また,昨年度はデスクトップPC1台に,複数の仮想OSサーバを導入して,小規模な実験システムとして検討も行った.現状は必要十分な性能な為,予定していた性能の増強はせずに予算を持ち越したが,今年度はサーバを増設し,実用規模での実験システムを用いて検討を進める予定であった為,持ち越した予算分を増設用に上乗せして,必要な性能を確保する計画である.ハードウェア故障等があった場合でも,今までの研究成果を失わないよう,また緊急時にも速やかに元の状態に戻せるように,開発したプログラムのモジュールや作成したドキュメントのバックアップとして,バックアップメディアや大容量のストレージの購入も計画している.汎用的な機能の調査や必要とされている機能の調査で,他大学にも協力をお願いして,聞き取り等で,研究旅費として使用することも計画している.成果発表として,学会等で発表する際の旅費や参加費等にも使用する計画である.
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