2011 Fiscal Year Research-status Report
駅前廃店舗と退職技術者の支援で開く子供のためのネットでもつながる科学寺子屋
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23501195
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Research Institution | Suzuka National College of Technology |
Principal Investigator |
桑原 裕史 鈴鹿工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (30043326)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 理科離れ対策 / 初等情報処理教育 / 理科教室 |
Research Abstract |
近隣の小中学生を対象とした初等情報処理教育を行うための場の創出と教育手法の開発を目的として、まずは理科教室の開校を計画した。駅前の大型商業施設の協力を得て、活動の場として交通の便の良い駅前店舗を低額で借用することができ、退職技術者の能力もお借りして、地域に暮らす子供と熟年層や高専学生が協力して理科の実験が行える理科教室(科学寺子屋 鈴鹿高専みんなの理科教室)を開設することができた。また、地元ケーブルテレビ局の支援も得てWi-Fiルータの提供もいただき、理科教室のインターネット環境も整えることができた。 教室は来場自由として運用し、企業退職技術者や学生の援助を得て、「モーターを作ろう」、「トランジスタ回路でLEDを点滅させよう」等、電気電子技術をテーマとした簡単な実験を用意して来場者とともに実験し、理科の面白さを体験してもらうようにした。夏休みには、本校の教員の支援も得て、「液体窒素の不思議」、「石を磨こう」等、電気電子とは異なる分野の実験テーマでも実施した。また、鈴鹿市が実施するイベント、「おいん鈴鹿フェスタ」にも参加し、「レーザー加工機によるネームタグの作成」、「不思議な折り紙」、「使い捨てカップが変身」等を実施し、多くの来場者に理科実験に触れていただく機会を作ることができた。このような活動の中、朝日新聞の取材を受け、この取組が新聞で報道されると、突然大人数の来場者が理科教室に押し寄せ、対応に困る程になり、マスコミの影響力の大きさに驚いた。 ただ、来場者のほとんどが小学校低学年の生徒であり、取組の本来の目的の一つである初等情報処理教育の対象としては難しく、今後、広報活動を検討するとともに、実験のテーマも工夫し、情報教育をテーマとした理科離れ対策として運用していきたいと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
子供対象の理科教室としての運用は、ひとまず軌道にのり、概ね予定通り実施できてはいるが、来場者のほとんどが小学校低学年の子供たちであり、予定した情報処理教育の対象者としてはあまりに幼くて指導が難しく、結果的に来場者の興味に合わせたやさしい理科実験をテーマとして運用することとなってしまった。 幼い子供たちを対象とする理科教室も重要な目的の一つではあるので、今後もやさしい理科実験を続けながら、高学年来場者の誘導の工夫も行って、計画どおり初等情報処理教育をテーマとした実験を展開して行きたいと考える。 また、理科教室へのインターネット回線の設置が借用店舗の関係で行えず、「ネットでもつながる科学寺子屋」の実現が遅れている。回線の問題も、近隣のケーブルテレビ会社の支援を得てWi-Fiによる接続が実現したので、今後進展が期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
インターネット回線の利用が行えるようになったので、これを活用した理科教室の運用が実現できる。高学年生徒の理科教室への参加については、近隣の塾との連携が行えることとなったので、まずは、この子供たちを対象に、「組込みコンピュータを使った玩具の制御」をテーマとして、初等情報処理教育を展開することとする。 幼い子供たちを対象とする初等情報処理教育としては、マイクロコントローラを組み込んだLEGOブロックを購入したので、次年度以降、これを使ったやさしいプログラミング教育も実施していく予定である。 その他、今年度来場者に人気があった「石磨き」についても、道具や材料を揃え、また、顕微鏡での観察もできるようにして、来場者の増加を図りたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度は企業退職技術者や学生の都合によって、土日の開講が十分に実現できなかった。来場者数は土日・休日が多く、当然、土日開講の希望も多い。このような理由により、次年度は、土日の開講を実施するため、補助学生を活用する経費として、多くの研究費を利用したい。また、新たな実験テーマの開発や実施に伴う材料費、実験機器の購入、店舗借用経費、その他、情報交換のための旅費に経費を利用したい。
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Research Products
(1 results)