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2012 Fiscal Year Research-status Report

ヒドロキシラジカルの選択的除去による発癌予防

Research Project

Project/Area Number 23501323
Research InstitutionOsaka City University

Principal Investigator

仲谷 和記  大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60295699)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 魏 民  大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70336783)
Keywords酸化ストレス / 癌 / 細胞・組織 / 動物
Research Abstract

銅代謝異常モデルLong-Evans Cinnamon(LEC)ラットを用いた実験と、7,12-ジメチルベンズアントラセン(DMBA)投与ラット乳腺腫瘍モデルに対する予備実験を行った。
LECラットとその対照系統であるLong-Evans Agouti(LEA)ラットに対して、水素水と脱水素水を投与した。LECラットは肝臓に蓄積した銅から生じる活性酸素種(主にヒドロキシラジカル)による肝細胞障害のため、生後4~6ヶ月齢で急性肝炎を発症し、雄では2~3割が、雌では約8割が死亡するとされる。そして生存した個体も慢性肝障害のために、生後1年~1年半の間で大部分が肝臓癌を発症すると報告されている。今回、水素分子による急性肝炎予防効果と肝発癌予防効果を検討する目的で実験を進めた。
LECラット、LEAラットとも高価であるため、それぞれを交配させて殖やし、実験に用いた。当初は、水素水投与によりLECラットの急性肝障害が予防もしくは軽減されると予想していたが、それに反して、雄雌ともに死亡率の減少が認められなかった。しかし、妊娠・出産・授乳のため水素水の消費が増加していた(LECラットはLEAラットや他系統のラットに比較して飲水量が少ない)雌LECラットでは生存期間が延長するなど、水素分子が急性肝炎に対して全く無効とはいえないデータもあり、引き続き検討を行っている。また、分子生化学的解析等に関しては平成25年度に行う予定である。
乳腺腫瘍モデルに関する予備実験では、発癌性物質であるDMBAを8週齢の雌Sprague-Dawley (SD) ラットに経口投与し、水素水投与群と脱水素水投与群間で腫瘍発生数を比較した。その結果、水素水投与群で腫瘍の発生が有意に減少していた。この実験に関しては、平成25年度にさらに詳しく検討する予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

昨年度後半より開始したLECラットを用いた実験において、水素水投与により急性肝障害が軽減ないし予防できるとの想定の下、生存率の低い雌ラットに対して実験を開始した。繁殖用の母親ラットの飼育経過も、その想定を支持するものであった(動物実験施設の職員より、交配成功率が高くなく分娩時に死亡する場合がある等、LECラットの繁殖は難しい旨の説明を受けたが、順調に繁殖が進み、生後6ヶ月齢を過ぎても母ラットが急性肝炎を発症しない、また、発症しても軽快したこと等)。
しかし、繁殖した仔ラット世代を用いた本実験では、想定に反して生存率の改善が認められなかった。そのため、雌ラットを用いた実験計画を見直し、雄ラットを用いることとしたが、雄ラットにおいても生存率の改善が認められず、既報に比して悪化している印象を持った。これに関しては、現在、脱水素水群との比較検討を行っている。
本来であれば、全ての実験群(雄・雌のLECラットおよびLEAラットにおいて、それぞれ水素水群と脱水素水群を作成するため、計8群)を同時に開始し、検討すべきであるが、交配効率とラットの購入コスト・飼育コスト、飼育の実務が煩雑である(水素水・脱水素水の調製、および、給水交換・給餌・飼育ケージの交換等を実験代表者一人で行っている。特殊な給水ビンを用いるため実験者が行う必要がある。)ことから飼育ケージ数をむやみに増やすことが出来ず、各群に優先順位をつけて実験を開始したため、必要な実験群が揃うまで時間がかかってしまった。
上記のLECラットを用いた実験が軌道に乗るまで時間がかかったため、DMBA投与によるラット乳腺腫瘍モデルを用いた実験は予備実験のみを行った。平成25年度は研究分担者に本実験の施行を要請すべく、現在協議中である。

Strategy for Future Research Activity

病態モデル動物を用いた水素分子の発癌予防効果の評価:LECラットとLEAラットを用いて、水素分子が肝障害および発癌に与える影響を解析する。LECラットは雄ラットを主に用いる。また、DMBA投与によるラット乳腺腫瘍モデルを用いた解析を行う。臓器障害・発癌率の評価は、血漿中の肝逸脱酵素・ビリルビンなどを測定し、シリウスレッド染色で線維化の程度を評価、線維化マーカーや前癌病変・早期癌病変マーカー・増殖因子・炎症性サイトカイン・ケモカイン・酸化ストレスマーカーなどの発現を免疫組織化学的・分子生物学的に解析して行う。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

・病態モデル動物を用いた水素分子の発癌予防効果の評価:現在、LECラット・LEAラットを合わせて50ケージ前後で飼育している(繁殖用を含める)が、飼育コスト(1ケージにつき月額1050円)を軽減するため、生存率を検討する実験を切り上げ、適切な時期に標本を採取することに努める。臓器障害・発癌率の評価を行うための実験には、平成23年度の残額と平成24年度に使用できなかった分子生物学的解析に対する経費と今年度の研究分担者担当分の経費を当てる。できうる限り効率よく実験を進め、臓器障害・発癌率の評価を行うための実験に使用できる経費を充足する。
・上記実験結果を取りまとめ、国際学会等で発表し、論文を作成するなど、研究成果を社会に対して発信する。

  • Research Products

    (1 results)

All 2012

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results)

  • [Journal Article] Lack of Hepatocarcinogenicity of Combinations of Low Doses of 2-amino-3, 8-dimethylimidazo[4,5- f ]quinoxaline and Diethylnitrosamine in Rats: Indication for the Existence of a Threshold for Genotoxic Carcinogens.2012

    • Author(s)
      Wei M, Kakehashi A, Yamano S, Tamano S, Shirai T, Wanibuchi H, Fukushima S.
    • Journal Title

      J Toxicol Pathol

      Volume: 25 Pages: 209-214

    • DOI

      10.1293/tox.25.209.

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2014-07-24  

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