2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23501323
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
仲谷 和記 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60295699)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
魏 民 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70336783)
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Keywords | 酸化ストレス / がん / 組織・細胞 / 動物 |
Research Abstract |
銅代謝異常モデルLong-Evans Cinnamon(LEC)ラットを用いた実験を行った。LECラットは、ヒトの銅代謝異常疾患であるウイルソン病の疾患モデル動物である。 LECラットとその対照系統であるLong-Evans Agouti(LEA)ラットに対して、水素水と脱水素水を投与した。LECラットは肝臓に蓄積した銅から生じる活性酸素種(主にヒドロキシラジカル)による肝細胞障害のため、生後4~6ヶ月齢で急性肝炎を発症し、雄では2~3割が、雌では約8割が死亡するとされる。そして生存した個体も慢性肝障害のために、生後1年~1年半の間で大部分が肝臓がんを発症すると報告されている。今回、水素分子による急性肝炎予防効果と発がん予防効果を検討する目的で実験を進めた。 LECラット、LEAラットとも高価であるため、それぞれを交配させて殖やし、実験に用いた。当初は、水素水投与によりLECラットの急性肝障害が予防もしくは軽減されると予想していたが、それに反して、雄雌ともに死亡率の減少が認められなかった。しかし急性肝炎から回復した個体に関しては、103週齢(2014年3月31日現在)を最長に寿命の延長が認められている。 水素水の発がん予防効果に関しては、予備的実験群での検討ではあるが、71週齢で死亡した脱水素水投与LECラットにおいて肝臓に著名な腫瘍形成が認められたのに対して、71週齢で犠牲死させた水素水投与LECラットでは肝臓における腫瘍形成が著しく抑えられた、という実験結果を得ることができた。
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