2011 Fiscal Year Research-status Report
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23510039
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
西薗 大実 群馬大学, 教育学部, 教授 (20228183)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | フロン / 冷媒 / オゾン層破壊 / 地球温暖化 / 気候変動 / 環境報告書 / CSR |
Research Abstract |
食品の低温流通システムは衛生面や嗜好面において現代社会に必須のインフラであるが、一方で冷媒フロン排出の問題がある。冷蔵・冷凍ショーケースを有するスーパーマーケット等が、冷媒フロン排出を食供給における重要な環境情報として認識し冷媒補充量などを把握しているか、また環境報告書・CSR報告書等の環境情報の中に冷媒に関する情報が含まれているかなど、実態把握と公表が適切に行われているかを調査した。研究初年度である平成23年度は、群馬県内に店舗のあるスーパーマーケットチェーン各社を対象として聞き取り調査、及び環境報告書において十分に情報が公表されているかを分析した。実際の冷媒管理は冷凍空調設備業者に任されている場合もあるので、適宜その業者を対象とした調査も実施した。また、冷媒フロンを取り扱う専門事業者の団体である群馬県フロン回収事業協会、日本フロン回収事業協議会、ならびに日本冷媒・環境保全機構の調査も実施した。 その結果、フロン管理を大きく2つの段階について整理することが妥当であることが明らかとなった。平成19年のフロン回収・破壊法改正において、機器廃棄時に加えて整備時の冷媒回収量報告が義務づけられているが、冷媒補充量の報告は義務付けられていない。したがって、第一にコンプライアンスにかかわる廃棄時・整備時回収の段階、第二にコンプライアンスにはかかわらないが実質的に重要度の高い使用時漏洩・補充の段階である。今回の調査では廃棄時・整備時回収を実施していない事業者はなかったが、情報の公開はしていなかった。冷媒補充量の把握は各事業所においては行われているが、その多くは施設管理目的であって、環境マネジメント部門の情報として取り扱っている事業者は少なく、情報公開もしていないことが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
対象事業者への聞き取り調査を中心に研究を実施し、事業者における冷媒フロン管理の具体的な状況が明らかになりつつある。その結果、店舗レベルでのアンケート調査は時期尚早であることが分かり23年度は実施を見送ったが、23年度調査の結果をもとに内容構成したもをのを24年度に実施することで効果的な調査とすることが期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
スーパーマーケットチェーン本社ならびに店舗レベルでのアンケート調査を行い、計量的に分析を進める。 また、冷媒フロンに関する環境情報の管理・公表が進んでいると判断される店舗・事業所を選定し、その管理システムについて詳細に調査を行う。方法はおもに聞き取り調査とする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
23年度に実施した聞き取り調査によって、予定していた店舗レベルでのアンケート調査は時期尚早であると判断したため、23年度は実施を見送り、次年度使用額が生じた。 24年度は内容を再構成してアンケートを実施する予定であり、その印刷、郵送費用に使用する。また、24年度研究費をあわせて、より詳細な聞き取り調査のための旅費、及びそれらに伴う消耗品購入などへの使用を予定している。
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Research Products
(1 results)