2013 Fiscal Year Annual Research Report
自然再生の順応的ガバナンスに向けた社会的評価システムの構築
Project/Area Number |
23510050
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Research Institution | Research Institute for Humanity and Nature |
Principal Investigator |
菊地 直樹 総合地球環境学研究所, 研究部, 准教授 (60326296)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
敷田 麻実 北海道大学, 観光学高等研究センター, 教授 (40308581)
豊田 光世 兵庫県立大学, 環境人間学部, 講師 (00569650)
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Keywords | 自然再生 / 順応的ガバナンス / 社会的評価 / 環境政策 / 地域再生 |
Research Abstract |
本研究課題は、自然再生が当該地域社会に与える影響・効果・課題などを評価する社会的評価モデルを構築することを通じて、順応的ガバナンスに向けた政策と研究に有益な指針を提示することを目的としている。最終年度である本年度は、社会的評価モデルの完成度を高めるための議論と成果の発表に向けた議論を行った。 5月に東京で研究会を開催し、自然再生の社会的評価モデルの要素となる社会的評価指標に関する議論を進めた。昨年度に設定した知識・情報、ステークホルダー、ネットワーク、課題認識、目標設定、社会的評価、意思決定の有無、社会的評価という指標の有効性に関して議論し、それらの再設定に関する議論を行った。その結果、課題認識、アクター、ネットワーク、プラットフォーム、知識、自然再生技術、アクション、社会技術、意思決定の仕組み、豊かさの変化、社会的評価、主観的評価という12の指標を再設定し、兵庫県豊岡市田結地区の小さな自然再生の事例を分析し、社会的評価モデルの有効性を確認した。 6月にアダプティブガバナンスに関する研究会において、社会的評価モデルを使用した事例分析を報告した。研究会のなかで、第一に当モデルは自然再生の社会的プロセスを確認するツールとして有効であること、第二に研究者のみでなく地域住民や行政、NPOにとっても自己の活動を評価するツールとして使いやすいこと、という2点を議論した。その結果、順応的ガバナンスに向けた政策と研究に有益な指針となりうることを確認できた。 9月に京都で研究会を開催し、沖縄県石垣島、新潟県佐渡島における自然再生を事例とした報告を行い、社会的評価モデルの有効性に関する議論を進めた。 1月に京都で研究会を行い、論文執筆に向けた議論を進め、研究代表者と研究分担者、連携研究者の役割分担を確認し、執筆をすすめているところである。
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