2012 Fiscal Year Research-status Report
ヨード状態を軸とした新生児期化学物質暴露による甲状腺ホルモン系かく乱の定量解析
Project/Area Number |
23510076
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
藤本 成明 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 准教授 (40243612)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北村 繁幸 日本薬科大学, 薬学部, 教授 (40136057)
佐能 正剛 広島大学, 医歯薬保健学研究科, 助教 (00552267)
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Keywords | 内分泌かく乱物質 / 甲状腺ホルモン / 新生児期影響 / 遺伝子発現 / 臭素化難燃剤 |
Research Abstract |
[目的] 環境化学物質による甲状腺ホルモン系へのかく乱作用は比較的最近明らかになり注目されるようになってきたが、in vivo影響については未だ不明である。胎生期、新生児期での、甲状腺ホルモンのかく乱は、形態形成異常や中枢神経系の発達障害を引き起こす重大なリスクであり、それに関与する因子や毒性メカニズムを明らかにする必要がある。本研究では、下垂体-甲状腺-肝臓軸の中で特に肝臓に注目し、まずそこでの内分泌かく乱指標となる遺伝子群を同定し、in vivo影響を定量的に解析する。その上で、ヨード環境による影響の違いを明らかにする。 [方法] 雄のF344ラットを用い、生後1, 3, 5日にトリヨードサイロニン(T3)を、0.04~100μg/kg体重で投与し、8週齢で肝臓を摘出してtotal RNAを抽出した。ジーンチップによるcDNAマイクロアレイ解析により、無処置群とT3群との間で、網羅的な発現比較し、発現変動のある遺伝子同定を行った。同定された遺伝子について、全群で定量測定を行った。また、血中T3, T4, TSHの測定をRIAで行った。 [成果] ジーンチップ解析により、 T3の新生仔暴露の発現影響が、成体期まで残る遺伝子としてUGT2他7つの遺伝子が同定され、その発現の投与量依存性も示された。血中のT3, T4, TSHレベルには有意な変化は見られなかった。 [考察] 昨年度研究では、アジレンドのcDNAマイクロアレイにより同様の検索を行ったが、十分な定量的再現性が得られなかった。今回、改良した実験プロトコルにより、目的としていた指標遺伝子がリストできた。発現影響は、血中ホルモン値への影響が出ないレベルで見いだされており、新生仔期の低用量の甲状腺ホルモン作用により、長期的影響がみられることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1年目のアジレンドのcDNAマイクロアレイ解析では、定量的再現性が得られず、甲状腺ホルモン投与方法を改良し、再度のアレイ解析をおこなうことが必要であった。このため、当初計画より遅延が生じたが、今回、再現性をもった指標遺伝子のリスト化が完了した
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Strategy for Future Research Activity |
1)ヨード環境による、新生児期影響の現れ方の違いを明らかにする 2)臭素化難燃剤暴露による新生児期影響の評価
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験動物(ラット) 特殊飼料(低ヨード食) 遺伝子発現定量解析用試薬 抗体
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Research Products
(4 results)
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[Presentation] Effects of neonatal exposure to thyroid hormones on gene expression profile of the pituitary-thyroid-liver in rats
Author(s)
Fujimoto, N., Matsubara, K., Sanoh, S., Ohta, S., Kitamura, S., Sugihara, K
Organizer
International Congress of Endocrinology
Place of Presentation
Florence, Italy
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