2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23510121
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
高野 秀和 兵庫県立大学, 物質理学研究科, 助教 (50366548)
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Keywords | X線集光 / ゾーンプレート / ナノビーム / X線顕微鏡 |
Research Abstract |
本研究は、硬X線を集光ビームを形成するための新しい光学素子である、全反射ゾーンプレートの開発を行っている。平面基板に不等間隔回折格子を配した線集光タイプと、湾曲基板に反射ゾーンを配した点集光タイプについての開発お行っており、前年度までは、改良型線集光タイプの開発及び評価、点集光タイプの設計及び理論計算を行った。線集光タイプでは、集光サイズについての目標はクリアできなかったが、従来に比べて高い回折効率の実現に成功した。また、焦点距離の異なる2枚の線集光タイプを直交直列配置することで点集光を実現する実験を試み、100nm程度の空間分解能を有するテストチャートの拡大ホログラム像が得られた。点集光タイプでは、円錐基板や、部分円錐基板を用いた素子の設計を行い、レイトレース計算により、極めて高い理論集光性能を有することを確認した。また、比較的作製が容易な円筒基板を用いる素子についての描画パターン設計を行い、高精度円筒基板の評価を行った。 最終年度である本年度は、線集光タイプを利用した点集光の最適条件について実験的な模索を行い、集光サイズ43nm×38nmの点集光が得られた。さらに、走査型X線顕微鏡への応用を行い、50nmのラインアンドスペースパターンを明瞭に解像する顕微鏡像が得られた。点集光タイプについては、曲率半径2mmの円筒基板を用いた素子について詳細なパターン設計を行った。理論計算による集光性能チェックを行い、コヒーレント照明下において11nm×107nm(1/4開口でのメリジオナル方向とサジタル方向の集光サイズ)の点集光が可能であることを明らかにした。さらに、実際の点集光素子について電子線リソグラフィを用いた試作に成功した。
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Research Products
(6 results)