2011 Fiscal Year Research-status Report
進化計算とニューラルネットを用いた群ロボットの効率的な制御の研究
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23510178
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Research Institution | Nippon Institute of Technology |
Principal Investigator |
山地 秀美 日本工業大学, 工学部, 准教授 (20327018)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻村 泰寛 日本工業大学, 工学部, 准教授 (80240977)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 群ロボット / 移動エージェント |
Research Abstract |
実機ロボットで視覚情報に基づく制御を実現するために、視覚情報による障害物・衝突検出手法CyberRadarのシミュレーション実験を行った。現実世界では多様な形状とたくさんの衝突対象物が存在する。現在主に使用されている空間分割による手法では、こうした環境での衝突検出・回避処理をリアルタイムに行うことが困難となる。これに対し提案手法では、対象となるオブジェクトの数nに対しO(n)のオーダーで処理できることが示された。この成果は、Cyberworlds 2011にて発表した。 CyberRadarによる障害物・衝突検出は、GPUによる描画を利用した手法であるため、多数のロボットを想定した環境では、実時間性が損なわれる。そこで、本手法をより高速化するために、スレッド化して複数のGPUにより並列処理するアルゴリズムを開発するとともに、プログラムを委託開発した。現在、このプログラムの評価実験を進め、さらに高速化するための改良方法について研究している。GPGPUによる並列処理が注目されているが、安価なGPUを複数使うことで、これまでリアルタイムに処理することが困難だった複雑な環境での障害物・衝突検出法の提案を目指している。 実機ロボットに実装するステレオカメラとしてビデオゲームの入力装置であるKinectを用い、ビデオカメラによる画像とKinectによって取得された距離情報を用いて、現実世界と3Dモデルの実時間でのインタラクションを実現した。当初検討していたステレオカメラシステムより安価で、開発のための情報が多く公開されていることから、Kinectを利用することとした。本研究の成果は、The Fifth International Conference on Advances in Computer-Human Interactions (ACHI 2012)にて発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
群ロボットの制御のための実験シミュレータの基礎となる、視覚情報に基づく障害物・衝突検出アルゴリズムの開発と評価を進めた。複数のハードウェア環境における本手法の有効性について実験を行い、カナダで行われた国際会議において発表を行った。 この手法をベースに、Webカメラから取得した実世界の画像と距離センサの情報から実世界をモデリングし、仮想空間のオブジェクトとのインタラクションを実装することができた。この成果は、スペインにおける国際会議で発表を行った。 複数のGPUによる並列処理も実装し、評価実験を行った。その結果、GPUの数にほぼ比例する高速化を実現できる見通しが立った。比較実験を行うために、他の手法について調査を進めている。 ロボットの制御アルゴリズムは、1つ目の方法としてエージェントを用いた手法を検討した。実装方法について検討し、シミュレータの作成を開始した。制御アルゴリズムの検討が後回しとなったが、全体として予定していた作業量をこなすことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
比較的単純な環境を想定したシミュレータを作成し群ロボットの制御のためのアルゴリズムを開発する。これまで開発したエージェントを用いた手法シミュレータを基に、本研究のためのシミュレータを作成する。アントコロニー最適化法のみを用いて評価実験を行い、アントコロニー最適化法の問題点を明らかにする。 この結果を基に、ニューラルネットの応用方法を具体化し、複数のアルゴリズムを開発し、シミュレータに実装する。比較実験を行い、採用すべきアルゴリズムを絞り込む。この際、初期の障害物の位置、形状によって経路が大きく異なることが予想される。初期条件によってどのような傾向が発生するかを調べ、アルゴリズムの改良を行う。実際の建造物との比較から、設定すべき制約条件を明らかにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
群ロボットの制御方法について先行研究についての調査を行うため、文献入手の経費支出を計上した。群ロボット制御シミュレータを使った実験を行い結果をまとめる。多様な条件で実験を行うため、シミュレータの設定、実験の実行などに人件費の支出が必要となる。また、群ロボット制御法についての成果発表を行う。そのための学会参加費、および旅費の支出を予定している。
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