2013 Fiscal Year Annual Research Report
移動体オペレータの行動特性から観た船舶運航安全性評価に関する研究
Project/Area Number |
23510199
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
石橋 篤 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 講師 (00242321)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 弘明 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 教授 (70016963)
内野 明子 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 准教授 (40311005)
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Keywords | 操船シミュレータ / 船舶運航 / ヒューマンファクタ |
Research Abstract |
本研究は移動体の安全な運航環境を実現するための環境条件(人間とそれ以外の要素)を論理的に明らかにし、一般社会に対し移動体操縦者いわゆるオペレータの重要性を正しく認識させることを目的としている。近年、移動体、大型プラントで発生した事故及災害の原因はそのシステムを運用する人間(オペレータ)にあるとされ、その割合は非常に高いと理解されている。特に船舶運航においては事故の原因の80%以上は人間、すなわち海技者に原因があるとされている。 本研究では船舶運航を例に安全な移動体運航を達成するための必要条件を移動体操縦者の行動を詳細に分析することによって明らかにすることを目的としている。近年、ヒューマンファクターの視点から事故災害の原因分析、対策が提案されているが、その多くは心理学を基本とした研究がほとんどである。本研究では工学的な視点から人間の行動分析を行い安全運航実現のための客観的な評価指標を開発することを目的としている。 本年度は昨年度開発を行った行動記録装置を用いて行動分析を行った。行動分析の対象とした操船局面は複数の曳船を用いて行う着桟操船である。本研究においては特に風圧外乱下の操船を対象とした。はじめに数値シミュレーションにより操船者の特性を除く着桟能力の推定を行った。本シミュレーションにおいては着桟能力指標:T.M(Tugboat force Margin)を定義し、種々の条件下における着桟操船の実現性を評価することが可能となった。次に操船シミュレータを用いた実務者による着桟操船実験を行ない着桟操船の評価を行った。着桟操船の評価は、着桟能力指標に対する操船目標の達成度および着桟操船時の船体運動状態を比較検討することによって可能となる。本比較より、着桟能力指標と人間が制御可能な船体運動、すなわち、人間の制御余裕量を推定することが出来ることなった。
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Research Products
(3 results)