2013 Fiscal Year Research-status Report
保健医療福祉施設における職員間暴力防止教育プログラムの開発・導入に関する研究
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23510350
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
日隈 利香 鹿児島大学, 医学部, 助教 (90381186)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日隈 正守 鹿児島大学, 教育学部, 教授 (70260750)
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Keywords | ハラスメント / 離職 / 人間関係 / 看護師 / 医療機関 / 福祉機関 / 保健施設 / eラーニング |
Research Abstract |
平成25年度は、職員間暴力の被害に遭ったことがある保健医療福祉機関に勤務する看護職員12名を対象に実施した半構造化面接結果を複数の研究者で分析し、得られた研究成果を日本看護学会(看護総合)で発表した。調査研究データの分析から『ハラスメント問題は被害者と加害者の二者間だけの問題ではなく、患者や周囲の職員といった環境全体にも悪影響を及ぼしている』ことや『看護の質低下及び医療の質低下予防のためには、職場全体におけるハラスメント防止対策が不可欠である』ことが明らかになった。学会会場では、職員間暴力問題に興味を持つ多数の学会参加者から多くの質疑が寄せられ、多くの看護師が保健医療福祉機関におけるハラスメント問題に多大な関心を持っていることがわかった。 そこで今回、分析結果を基に職員間ハラスメント防止のための研修プログラムを構築し、研修希望のあった鹿児島市内の総合病院(450床)に勤務する看護職員35名に対して『医療機関における職員間ハラスメント防止に関する研修~ハラスメント問題の現状と予防のために一人一人が出来ること~』というテーマで研修を行った。研修ではこれまでの研究成果を基に作成したハンドブックを用いPPT形式で研修を行ったほか、eラーニングシステムを用いた研修についても説明を行い、本研修が自宅に帰ってからも研修内容の再学習が可能であることを説明した。研修結果として、研修受講者全体の83%が研修内容を「よく理解出来た」と回答した。 本研修受講者に、医療現場におけるハラスメント問題発生について確認したところ、全体の66%が「最近増加している」と回答し、全体の83%がハラスメント問題に対して興味を持っていることが明らかになった。ハラスメント問題を改善するために各自どの様に対応すれば良いかという問いに対し、「コミュニケーションを大切にする」、「相談しやすい環境を作る」などの意見が出された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度は前年度に立てた、「①ハラスメント防止対策ハンドブックの作成・配布 ②鹿児島県内の主要な医療保健福祉機関に勤務する看護師長を対象としたハラスメント防止研修会の開催 ③医療保健施設に勤務している職員向けのミニ研修会の開催 ④興味のある人を対象にeラーニングシステムを紹介し、研修会で得た知識の内容を再度確認し知識を深めてもらうようにする ⑤これまでの研究成果を学会で発表する。」という5点を目標に掲げ研究を進めた。 今年度は、ハラスメント防止研修内容を充実させると共に、問題改善に役立つハンドブックを作成するため、コミュニケーションスキルアップ研修等の専門的研修を受講し各専門家と話し合いを持ち、知識の教授を受けた。それを基に、職員間ハラスメント防止のための研修プログラムの構築とハンドブックを作成し、総合病院の看護職員を対象に研修を実施することが出来た。参加者の多くがハラスメント問題に興味を持っていたが、研修会では限られた時間の中で数多くの知識を得ることには限界があるので、研修終了後に自宅などで自己学習できるeラーニングシステム研修を紹介し、詳細な説明を行うことが出来た。 これらのことから、①~④までは概ね達成することが出来たと考えるが、⑤学会発表については、当初複数回発表を予定していたものの学会発表日と公務が重なってしまい、平成25年度は1回しか発表することが出来なかったため、当初の予定が達成できたとはいえない。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年実施出来なかった研究成果について、研究分担者及び研究協力者と再度内容を検討審議し、看護学会や社会福祉学会などで発表する。また、昨年度発表した研究成果も含め、論文投稿を請行い、保健医療福祉機関における職員間ハラスメント問題について広く社会に提示する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
学会発表については当初、複数発表を予定していたが、学会発表日と公務が重なってしまい、平成25年度は1つしか発表することが出来なかった。そのため予定していた旅費が残ってしまい、次年度使用額が生じてしまった。 昨年実施出来なかった研究成果について研究分担者及び研究協力者と再度内容を検討審議し、日本看護学会で発表する。次年度使用額については、これまで実施した研究成果を学会発表(看護学会、社会福祉学会)するための旅費として使用するほか、学会参加費や論文等校閲経費、翻訳経費に使用する予定である。
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Research Products
(2 results)