2013 Fiscal Year Annual Research Report
和辻哲郎による日本倫理思想史および日本文化史研究の総合的再検討
Project/Area Number |
23520004
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
木村 純二 弘前大学, 人文学部, 教授 (00345240)
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Keywords | 日本倫理思想史 / 和辻哲郎 / 日本文化史 / 倫理学 / 思想史 |
Research Abstract |
研究最終年度となる平成25年度は、9月と3月の2回、研究会を行った。9月の研究会では、研究代表者の発表2本に、連携研究者・研究協力者各1名が発表し、全体で討議をした。また3月の研究会では、研究代表者・連携研究者各1名と研究協力者2名が発表し、同じく討議した。今年度の研究成果としては、研究代表者木村の論文「恋の起源―『古事記』イザナミ神話の意味するもの―」を挙げることができる。また、木村は弘前大学人文学部の国際公開講座で、「伊藤仁斎の「愛」の思想―他者と共に生きる―」と題する講演を行った。 研究期間全体では、上記の論文「恋の起源」のほかに、研究代表者の木村が解説を記した和辻哲郎『日本倫理思想史』の岩波文庫版が刊行され、また木村による2本の学会発表「和辻哲郎における「恋愛」概念の葛藤について」、「和辻哲郎の日本意識―国民道徳論との関連から―」があり、前者は査読を経て学会誌に論文として掲載されている。連携研究者の吉田真樹も「近世庶民仏教思想と和辻思想史図式の捉え直し」、「倫理学・日本倫理思想史の観点からみた「日本意識」」の2本の論文を公刊している。ほかに、『季刊日本思想史No.80』掲載の木村以下6名の論文も、本研究と同じメンバーで実施した以前の科研費からの継続的な研究成果である。研究メンバー全体として、3年間で10本を越える論文等が公刊されており、充実した研究を行うことができたと考えられる。 なお、本研究の成果の総括として、本科研の研究メンバーを中心に、和辻哲郎に関する論文集を刊行することが、某出版社との間で内諾されており、現在詳細について調整している状況である。
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Research Products
(2 results)