2013 Fiscal Year Annual Research Report
過疎地域の宗教ネットワークと老年期宗教指導者に関する宗教社会学的研究
Project/Area Number |
23520092
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Research Institution | 鈴鹿短期大学 |
Principal Investigator |
川又 俊則 鈴鹿短期大学, その他部局等, 教授 (40425377)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武笠 俊一 三重大学, 人文学部, 教授 (50157715)
板井 正斉 皇學館大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (40351225)
磯岡 哲也 淑徳大学, コミュニティ政策学部, 教授 (90201920)
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Keywords | 過疎 / ネットワーク / 宗教集団 / 老年期 / 指導者 / 宗教学 / 社会学 / ライフヒストリー |
Research Abstract |
最終年度は、当初の計画通りに以下の2つを進めた。 (1)個別調査・共同調査。文献・各教団等の新聞・機関誌等から過疎地域と宗教集団(各教派等)および宗教者の老年期に関する情報を入手し、過疎地域とネットワーク、さらにソーシャル・キャピタルに関連する先行研究を検討した。各人の分担テーマでの個別調査を完了させた。代表者は高齢の宗教指導者へのライフヒストリー・インタビューや老年期関連施設の見学、三重県過疎地域の行事等を見学し、関係者へインタビューを行った。7月に共同補充調査(熊野市)、8月に研究会・見学会(鈴鹿市・津市)を実施して、9月のパネル発表に備えた。 (2)研究会・パネル発表・報告書刊行。9月7日、日本宗教学会でパネル発表「過疎地域における宗教ネットワークの可能性―三重県を事例に―」を行い、4名の口頭発表、コメント、会場での質疑応答が活発に行われた。その議論を経て、各自が論文を作成し、報告書に収録した。10月12日、日本社会学会で個人発表がなされた。ここでも質疑応答があり、論文を報告書へ収録した。代表者は他の研究会でも報告・論文発表等を行った。3年間の記録、研究会講師のエッセイを含めた報告書を刊行した。本研究は3年間の予定通りに進むことができ、成果を報告書の形でまとめることができた。 ごく簡潔にまとめれば、本研究全体の成果は以下の通りである。①過疎地域の宗教集団は一定の機能を有し、今後も地域のネットワークとして機能する可能性が十分あると確認した。②老年期の宗教指導者は、教団等地域外とのコミュニケーションツールを持ち、地域住民に、外と内をつなぐネットワークの結節点となっていた。③Uターンや第二の人生に宗教者を選ぶ例から、老年期の多様な生き方のモデルを見出した。④過去の調査および、10年、20年を経た後の再調査の重要性を再認識した。
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Research Products
(9 results)