2011 Fiscal Year Research-status Report
富永太郎直筆原稿の画像データベース化による文学テキストの生成研究
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23520238
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Research Institution | Otsuma Women's University |
Principal Investigator |
杉浦 静 大妻女子大学, 文学部, 教授 (50140108)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宗像 和重 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (90157727)
石川 巧 立教大学, 文学部, 教授 (60253176)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 草稿 / 富永太郎 / データベース |
Research Abstract |
本研究の目的は、富永太郎資料のデータベース化を通じて、人文科学研究領域における画像データベースのあり方を検討し、優れた研究支援ツールの開発を目指す。さらに、作成されたデータベースを活用して、直筆資料と活字情報のクロスする研究に着手することを目指している。 初年度は、「中島敦文庫直筆資料 画像データベース」(神奈川近代文学館作成)や「小林多喜二 草稿ノート・直筆原稿」(雄松堂)を検討して、さらなる利便性や翻刻の必要性等を検討した。その結果、翻刻版を草稿写真と対照できるように表示する画面を作成してみることに決定した。また、翻刻については、草稿写真が表示されるのであるから、ディプロマティックな生成批評版として作成する必要はなく、推敲過程、さらに加筆修正や削除の過程を記号を用いて示す校訂版を作成することを決定した。 またこの草稿の中には、ひとつの詩のバリアント(あるいは逐次稿)が多数含まれていることが明らかになったので、それらの草稿の関係を示すことが必要との認識に立ち、その方法を検討した。草稿一枚毎に集積されるデータの一つとして、逐次稿の項目を作成することが一般だが、更に踏み込んで、逐次稿1から逐次稿2へとリンクを張るような方式は可能かどうかの検討を進めることにした。 これらの検討をふまえながら、草稿の翻刻、判読へと作業が進んだ。さらに、翻刻と併行して、詩毎の生成過程の検討と開始した。その成果の一部は、「富永太郎「鳥獣剥製所」の生成」(1)として、「大妻国文」43号(2012・3)に発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度には、データベースの構築方針の検討を行い、試作版の作成まで目指していた。検討の過程で、試作版の作成には時間がかからないことが判明したので、データの作成の方針の決定にとどめ。データベースの主要な部分となる翻刻に集中することにした。削除箇所の判読には手間取ったものの、200種を越える草稿の翻刻が一応終えている。 従って、おおむね順調な進展と評価している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、神奈川近代文学館蔵の残りの資料の翻刻を進める。また、他の富永資料所蔵機関の調査をすすめ、データベースへの収録を検討することにする。 また、一応の構築方針は決定しているが、既成のデータベースの確認と検討を行い、さらなる利便性を追求する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
神奈川近代文学館蔵の富永資料の写真の使用にかかる経費が必要である。他の富永資料所蔵機関(現在のところ判明しているのは、中原中也記念館)の調査と交渉のための旅費等に使用。その他神奈川近代文学館や宮沢賢治記念館等での草稿資料についての研究・調査のための交通費等が必要である。 なお、昨年度はデータベース作成のためのデータ作成を優先した。具体的には、富永太郎草稿の翻刻作業を推進した。そのため、使用予定であった交通費に残額が生じた。本年度は、データベース設計が具体化するので、富永資料所蔵機関への調査、他作家の草稿を所蔵する公共機関等への調査のために、本年度使用予定金額に追加して使用する予定である。
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Research Products
(1 results)