2012 Fiscal Year Research-status Report
富永太郎直筆原稿の画像データベース化による文学テキストの生成研究
Project/Area Number |
23520238
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Research Institution | Otsuma Women's University |
Principal Investigator |
杉浦 静 大妻女子大学, 文学部, 教授 (50140108)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宗像 和重 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (90157727)
石川 巧 立教大学, 文学部, 教授 (60253176)
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Keywords | 草稿 / 富永太郎 / データベース |
Research Abstract |
本研究の目的は、富永太郎草稿、ノート、絵画、手紙等のデータベース化を通じて、人文科学領域における画像データベースのあり方を検討し、優れた研究支援ツールの開発を目指す。ここで構築するデータベースは、文学テクストの草稿のみならず、油絵等の絵画、版画をも画像として含み込んだものである。これまで、草稿(テクスト)と絵画(図像)とが同一のデータベースとして構築されている例は多くない。これらが、混在することで、どのようなメリット、デメリットが生じるかの検討も本研究の目的に含まれている。また、構築されたデータベースを活用して、直筆資料と活字情報のクロス研究に着手することも目指している。 本年度は、昨年度に引き続き、既成のデータベースについて構築理念の検討、実際の使い勝手の検討を推し進めた。具体的には、宮沢賢治イーハトーブ館、宮沢賢治記念館に収められている、宮沢賢治草稿CD-ROMと『新校本宮沢賢治全集』第16巻上の「草稿通観」の組み合わせの検討をした。これは、CD-ROMに収録された草稿の電子ファイルが、テキストである「草稿通観」や各巻本文に関連づけられているもので、いわば3次元データベースシステムとして扱うことができるものである。これを、二次元のデータベースとして構築する方法の検討により、富永太郎データベースの輪郭を明らかにした。 ついで、ディプロマティック版の項目化について再検討をした。草稿画像とテキストクリティック版の項目化の必要性については結論がでているが、見えないあるいは読めないテクストの処理について、検討を進める過程で、問題化してきたものである。これについては継続して研究を続ける。 これらと並行して、富永太郎の詩篇の考察を、草稿に基づいて進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、データベースの主要項目のテキストデータの作成に集中しつつ、データベースの構築方針の検討を進め、これと併行して、データベース化する資料・データを用いた詩篇の生成研究を進める予定であった。 テキストデータの作成は、順調に進展して、80%の自筆資料の翻刻が完了し、既に終了したテキストについては点検作業に入っている。 データベースの構築については、設計作業中である。草稿のデピロマティック版あるいはテキストクリティック版を項目化する予定であるが、これをプレーンテキストとして構築するか、XLM系の文書として構築するか、慎重に検討を進めているところである。 詩篇の生成過程の研究については、共同研究者の吉田恵理氏が、「無題 京都」について論考を発表し、杉浦静も発表詩篇の生成過程について報告している。 以上の結果、おおむね順調に進行していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度にあたる本年は、草稿等のテキストデータ化の完成とデータベースの構築を目的とする。 構築に際して、6月までにはテキストデータによる項目化とXML等のマークアップ言語による項目化のメリットデメリットを検討して、今後の草稿データベースの方向について試案をまとめる。 これらと併行しながら、データベースを活用した生成論をまとめて行くことにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
データベース構築のためのXMLエディターを入手する。 まずは、スタンドアローンでの構築を目指すので、そのためのメディア等が必要である。 データの追加調査のための交通費等にも使用する予定。
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Research Products
(2 results)