2012 Fiscal Year Research-status Report
アーミッシュとイスラム系児童文学にみる宗教的世界観の構築と受容
Project/Area Number |
23520291
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
大藪 加奈 金沢大学, 外国語教育研究センター, 教授 (30283146)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉原 利治 岐阜大学, 教育学部, 教授 (70092939)
大藪 千穂 岐阜大学, 教育学部, 教授 (10262742)
BINTLIFF JOHN 金沢大学, 外国語教育研究センター, 教授 (80598441)
木村 純子(三上純子) 金沢大学, 外国語教育研究センター, 教授 (10209728)
佐藤 文彦 金沢大学, 歴史言語文化学系, 准教授 (30452098)
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Keywords | 公哉情報交換 / アーミッシュ / イスラム / 宗教 / 児童文学 |
Research Abstract |
この研究では、21世紀における宗教と文学の関係を、児童文学に焦点をあてて考察している。主要研究対象は、アーミッシュのキリスト教系英語児童文学とイスラム系英語児童文学である。 24年度前半は、主にアーミッシュ研究の主要研究機関であるアメリカ合衆国エリザベスタウン・カレッジのヤング・センターや、デトロイト市のアラブ・アメリカン博物館での実地調査と、研究方法の点検を行った。アーミッシュ研究の第一人者であり、当研究の研究協力者であるヤング・センターのクレイビル教授やアラブ・アメリカン博物館の主席司書と研究方法について話し合った結果、受容研究の方向性を修正し、それまで想定していたアンケート調査にかわって、普段あまり部外者を受け入れないアーミッシュ学校の訪問や、学校図書の調査、保護者や先生への聞き取り調査が出来たことはよかった。 24年度後半は、実地調査の成果を受けてアーミッシュ児童文学のテキスト分析をFamily Life誌を中心に続けた。特に、「健康」「病気」など、アーミッシュ・一般人を問わず普遍的に人間が直面する身体的状態とそれをアーミッシュがどのように捉えているかという認識や意識についてのテキスト分析の成果は、25年6月に開催されるアーミッシュ学会で発表の予定である。 また、ドイツ・フランスのイスラム系児童文学の文献調査や、全体主義など他の「公式言語」を持つ児童文学との比較、宗教と文学の関係に関する文献調査も引き続き研究分担者が行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、実地調査や研究協力者の協力を得て、研究内容の点検を行った事により、より研究課題がより明解になったことがよかった。それにより、テキスト分析の焦点も定まり、より実質的な研究が進んだ。ドイツ語圏・フランス語圏の作品調査も昨年度に引き続き進んでおり、それらのテキスト分析により比較研究も進んだ。ただ、今年度は地道なテキスト研究に時間を要したため、学会発表にあまり力が裂けなかった。来年度以降は、成果発表も同時に行っていきたい。また、アーミッシュ・テキストの研究に力を入れるあまり、イスラム児童文学のテキスト研究がやや遅れているので、そちらのテキスト分析にも力を入れる必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度には、アーミッシュ・テキストの研究発表をまず学会発表の形で行い、できれば年度内に論文の形にまとめて、一定の成果を出すところまで持っていきたい。また、トルコ語のイスラム系児童文学については、25年度から調査・収集を行うことになっているので、研究協力者との話し合いも含め、進めていく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
アーミッシュ学会での発表、トルコ語関係研究協力者・研究機関訪問、更なる作品調査・収集のために旅費・物品費が必要となる。また、国内の学会発表のためにも旅費が必要となる。
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Research Products
(5 results)