2013 Fiscal Year Research-status Report
アーミッシュとイスラム系児童文学にみる宗教的世界観の構築と受容
Project/Area Number |
23520291
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
大藪 加奈 金沢大学, 外国語教育研究センター, 教授 (30283146)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉原 利治 岐阜大学, 教育学部, 教授 (70092939)
大藪 千穂 岐阜大学, 教育学部, 教授 (10262742)
BINTLIFF JOHN 金沢大学, 外国語教育研究センター, 教授 (80598441)
木村 純子 (三上 純子) 金沢大学, 外国語教育研究センター, 教授 (10209728)
佐藤 文彦 金沢大学, 歴史言語文化学系, 准教授 (30452098)
|
Keywords | 宗教 / 児童文学 |
Research Abstract |
本研究課題は、21世紀における宗教と文学の関係を、児童文学に焦点をあてて研究するものである。主要研究対象は、アーミッシュのキリスト教系英語児童文学とイスラム系英語児童文学である。 25年度前半は、5年に一度開かれるアーミッシュ研究専門の学会、Amish Ameicaの2013年大会に出席し、研究対象としているアーミッシュの雑誌「Family Life」で扱われる健康の概念や死に対する考え方に関する研究発表を行った。また、一昨年に続き、研究協力者であり前述学会の主催者であるエリザベスタウンカレッジの副学長や、他の学会発表者、アーミッシュ作家やアーミッシュ家庭との懇談や交流をとおして、最近のアーミッシュ研究の動向やアーミッシュ社会の問題等への理解を深めた。アーミッシュ児童文学の分析も引き続き行った。 25年度後半は、メッセージ性が強い宗教系児童文学で、テキストの伝えようとするメッセージがどのような手法で描かれているか、を相対的に研究するため、宗教文学と同様にメッセージ性の強い環境意文学における児童文学との比較研究を行い、日本イギリス児童文学会の2013年度研究大会で発表した。 上記の研究手法をイスラム系児童文学の研究にも反映させることにして、テキスト分析を進めており、その成果は2014年8月、4年に一度開かれる中東関係最大の学会World Congress of Middle Eastern Studies(トルコ・アンカラ)で発表する予定である。 また、ドイツ、フランスのイスラム系児童文学の文献調査等は、引き続き研究分担者が行っている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
主な研究対象であるアーミッシュ児童文学と、イスラム系英語児童文学に関しては順調であるが、当初予定していたトルコ系出版社によるイスラム児童文学の文献調査等は遅れている。2013年度はトルコ各地でデモなどがあり、現地調査があまりできなかった上、イスラム系図書の最大の出版社の一つであるZaman新聞社と政府の対立等により、受容者の意識も本研究を計画した時点から大きく変わっている。宗教以外の要因が大きくかかわり、従来予定していたような文献研究は難しくなっている。
|
Strategy for Future Research Activity |
26年度は、本課題の最終年度となるため、今までの成果をまとめることに力を入れたい。まず8月の国際学会で発表し、その後論文執筆を進めたい。特に有効であると思われる環境文学との比較研究は引き続き行っていきたい。 トルコ系イスラム児童文学については、あまり進展は期待できないが、国際学会の開催地がトルコなので、現地調査も可能な限り取り入れたい。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
トルコ国内の政治的状況により、トルコの現地調査やトルコ系児童文学の文献調査ができなかった。 2014年度にトルコで行われる国際学会に行った際に現地調査も行う。
|
Research Products
(3 results)