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2011 Fiscal Year Research-status Report

ハプスブルク帝国下の文学・芸術における東方への眼差し

Research Project

Project/Area Number 23520372
Research InstitutionTokyo Institute of Technology

Principal Investigator

山崎 太郎  東京工業大学, 外国語研究教育センター, 教授 (40239942)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 市川 伸二  東京工業大学, 外国語研究教育センター, 教授 (20176283)
安徳 万貴子  東京工業大学, 外国語研究教育センター, 准教授 (70585132)
Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
Keywords国際情報交流(オーストリア)
Research Abstract

(全体)3回にわたり勉強会を開き、当研究について購入すべき共通基礎文献等を確定。うち1回はハプスブルク文化史の専門家、小宮正安氏をお招きし、研究計画の披露と討議に基づいて、研究への助言と資料収集の方法について貴重な情報を入手した。 以上の準備を踏まえ、山崎は3月にヨーロッパ出張。パリ・フランス国立図書館では18世紀にヨーロッパで刊行された各国語の新聞についての文献を収集。ウィーン楽友協会資料室では同館長ビーバ教授と面談、モーツァルト時代の対トルコ関係についての貴重な助言と関係資料を拝受。またオーストリア国立図書館では古新聞資料を調査、現アルジェリアの港湾都市オランにおけるカトリック対イスラムの攻防の歴史およびその同時代における報道について、本研究テーマの決定的な手掛かりを得ることができた。 市川はホフマンスタールの基礎文献を購入し、その上で同作家と極東アジア(特に日本)の思想文化との関係性を研究テーマに設定。またリルケとロシアの関係に関わる基礎文献を購入し、2月の北大スラブ研出張で論文を収集した上で、同作家とロシア詩との関係性を考究することに研究テーマを確定した。 安徳は10月に日本独文学会秋季研究発表会に出張。ハプスブルク帝国下の文化に関するシンポジウムに出席し、当分野で議論の前提とされている「ハプスブルク神話」という概念の当否に関する重要な議論を、本科研の研究グループに持ち帰ることができた。また資料収集のため、3月にウィーンに出張。オーストリア国立図書館にてホーフマンスタールおよび前世紀転換期の文学に関する文献を収集。また『影のない女』の上演を国立歌劇場にて鑑賞。この演出は、登場人物たちを現実・影の対構造として捉える、新たな解釈に支えられたものであり、東洋的ビジョンを取り込むことで構築されつつある、ホフマンスタールの世界像についても、根本的な視座の転換を促された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

研究文献については重要なものを8割がた購入することができた。また、小宮氏の助言と伝手の紹介のおかげもあり、各研究者ともに出張先での資料収集に一定の成果を上げることができた。 山崎はとりわけウィーンでの面談および文献調査で、この研究における自らの仮説の一端(18世紀前半のオランにおけるオスマン・トルコ対スペインの攻防がハプスブルク帝国下ウィーンでも、きわめて大きく注目される事件であったこと)を裏付ける決定的な資料を得た。 一方、安徳は学会シンポジウムへの出席とウィーン出張によって、研究テーマを見直し、深めるための重要な視点を持ち帰ることができた。

Strategy for Future Research Activity

次年度は共通および各自で収集した資料や文献をもとに、それぞれのテーマを以下の手法で深めつつ、数回にわたり、情報交換を行う。 山崎は昨年収集した文献の解読と分析を進める。その上で、補充すべき資料・文献収集のために再度パリ、オーストリアへ出張、実地調査のためトルコとオランに足を伸ばす。また、初年度以降に購入したものに加え、文献・映像資料の補充に努める。 市川はホフマンスタールと東洋との関連を生み出した当時の言語哲学文献資料を閲覧・収集するために、ウィーンの大学図書館等に海外出張する。また、リルケとロシアの関係を、当時のロシアの側から理解するために、当時のリルケに関わったロシア文学文献(例トルストイ、パステルナーク)を収集し、分析する。 安徳はホフマンスタールの作品研究を『影のない女』から『エジプトのヘレナ』にシフトすることで、テーマを深めてゆく。政治の上でも理念の上でも瓦解しつつある古い「ヨーロッパ」、とりわけそれを支える言語的伝統への意識が高まるなか、あえて東洋的素材を選ぶことで、「ヨーロッパ」の言語的伝統への意識がどう深化するのか。この観点から『エジプトのヘレナ』の作品論を展開し、国内の全国誌『オーストリア文学』に投稿する。また『エジプトのヘレナ』関連資料収集のためオーストリアへ渡航、ウィーン大学図書館、オーストリア国立図書館を利用する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

平成23年度の未執行額793,314円については、同年度3月の出張((1)山崎、フランス~オーストリア、303,684円、(2)市川、北海道、86,990円、(3)安徳、オーストリア、402,640円)が平成24年度初頭に執行済み。平成24年度は3人ともに海外で資料収集と現地調査を行なうため、旅費に大部分を当てる。山崎はパリ、オーストリアでの資料収集に加え、トルコ、オランで現地調査を行なうため45万円、市川・安徳はオーストリアでの資料収集のために各30万円の使用を見込み、残りの5万円を昨年度のリストから漏れた文献や新刊の研究書等の購入に当てる。

  • Research Products

    (2 results)

All 2012 2011

All Journal Article (1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] ワーグナー演出の地層(9) 《ローエングリン》2012

    • Author(s)
      山崎太郎
    • Journal Title

      年刊ワーグナー・フォーラム2011

      Volume: 第1巻 Pages: 51-80

  • [Presentation] 「ワーグナー都市ミュンヘン-舞台芸術の今」基調講演2011

    • Author(s)
      山崎太郎
    • Organizer
      日独修好150周年記念 国際シンポジウム「ワーグナー都市ミュンヘン-舞台芸術の今」(招待講演)
    • Place of Presentation
      ドイツ文化会館
    • Year and Date
      2011年9月26日

URL: 

Published: 2013-07-10  

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