2014 Fiscal Year Annual Research Report
インド中世前期におけるシヴァ教文学―一般信徒向け文献を中心として―
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23520426
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
横地 優子 京都大学, 文学研究科, 教授 (30230650)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 印度哲学 / ヒンドゥー教 / プラーナ文献 / スカンダプラーナ / ヒンドゥー神話 / サンスクリット文献 / シヴァ教 / 国際研究者交流(オランダ、インド) |
Outline of Annual Research Achievements |
1.スカンダプラーナの国際共同研究については、第3巻を単著として、第2B巻を共著として出版し、当該文献全体のほぼ3分の1の校訂テキストとシノプシスを公刊することができた。特に第3巻の序は、当該文献の写本の相互関係に関する詳しい分析とそれに基づく文献の年代考察を含んでおり、当該文献の今後の研究の基礎となるものである。またこれによって、プラーナ文献の校訂研究のあるべきモデルを学界に提供した。平成25年度後半には、次の第4巻のための共同研究チームを発足させ、最終年度には、第4巻(第70~95章)に含まれる章のうち、第72~74、80~81章の校訂とシノプシスを作成し、9月と3月のライデン大学における集中検討会において検討した。 2. 上記の国際共同研究のもう一つの成果として、NWO(オランダ学術機構)研究費によるスカンダプラーナ・プロジェクト主宰者Hans Bakkerの単著として『The World of the Skandapurana』を刊行した。この著作は単著ではあるが、本研究者も参加している共同研究(一部は当該研究課題との共同)の最終成果であり、合同で行った現地調査の成果でもある。特に本研究者は`Goddess from the East'の章に執筆協力者として協力し、当該章にてKotivarsa-Mahatmyaの校訂テキストを公刊した。 3. プラーナ文献中のシヴァ神話については、最終年度にリンガ、マツィヤ、クールマ、ヴァーマナ各々のプラーナ中のシヴァ神話の構成を分析し、スカンダプラーナと比較した結果、どの文献にもスカンダプラーナの影響はみられるが、特にマツィヤとヴァーマナの神話構成には顕著な影響がみられることが判明した。 4. 『Kapphinabhyudaya』の作品中の宗教政策を当時のカシュミールの政治状況と比較・考察し、2月にウィーンで開催された会議にて報告した。
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Research Products
(6 results)