2013 Fiscal Year Annual Research Report
現代中国語における方向補語の各種用法に関する横断的研究
Project/Area Number |
23520503
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
丸尾 誠 名古屋大学, 国際言語文化研究科, 准教授 (10303588)
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Keywords | 中国語 / 方向補語 / 現代中国語文法 / 派生義 |
Research Abstract |
本研究課題は、申請者(丸尾)がこれまで主に研究対象としてきた現代中国語の方向補語に関する各種用法を相互に関連付けることにより、その体系化を試みるものである。平成25年度においては、方向補語“下来/下去”および“下”の派生的用法の中から、「継続義」および「収容義」を取り上げて考察し、その研究成果を論文『中国語の方向補語“下(来/去)”の派生的用法について―「量」の概念との関連から ―』としてまとめた。 論文では、発話時以降の継続は通常“V下去”(Vは動詞)の形を用いて表されるものであるが、これを“V下来”の形で表す場合には、「完了までの過程」という認識に基づくものであることを示した。 “下来”の「完了までの過程を表す用法」と“下”の表す「収容義」については、前者では「行為の分量」、後者では「モノの分量」という観点から、それぞれ行為の遂行が述べられることになる。両用法については、方向補語の各種用法に関する意味ネットワークの構築時に求められるような有機的な意味項目の相関関係を見出すことは困難であるものの、どちらも典型的には数量表現という客観的な指標を導入して、行為遂行の可能・不可能を表現するものであるという共通点が見出せる。
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Research Products
(4 results)