2012 Fiscal Year Research-status Report
旧椴法華村における伝統的漁業・造船に関する語彙調査
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23520540
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
橋本 邦彦 室蘭工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80156281)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島田 武 室蘭工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90322875)
塩谷 亨 室蘭工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10281867)
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Keywords | 海事関連語彙 / 生態学的研究 / 渡島半島 / 椴法華 / 漁業関連語彙 / 出稼ぎ / イワシ漁 / ニシン漁 |
Research Abstract |
渡島半島東岸部、特に、椴法華周辺で用いられている漁業、和船及び海事関係(波、潮流、風、天候、地形など漁業を取り巻く環境に関連したもの)の語彙を、これまで収集した音声記録、文字起こし原稿、方言辞典を含む文献等から抽出し、標準形、意味・用法、用例等をあいうえお順に整理する作業を行った。これは、データベースの基本的かつ中心的な素材になるはずである。 収録語彙を充実させる目的で、過去の調査で記録した元漁師の証言を文字起こしし、標準日本語の訳を付すのと同時に、それをデータとして、方言と認められた漁業関連語彙を選定し整理する作業もした。 漁業・造船に関する語彙は、それが指す事物と密接に関連するので、渡島半島東岸部を中心に砂原、椴法華、戸井、函館、さらに比較の観点から、江差、乙部、瀬棚の渡島半島西岸部の郷土資料館や博物館、図書館をめぐり、漁具、和船などをデジタルメディアに記録したばかりか、学芸員から情報を得たり、資料や文献を提供してもらった。これによって、語彙と事物との対応表を作成することが可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度及び24年度で旧椴法華村とその周辺地域の方言データから伝統的な漁業・造船関連語彙が相当程度抽出された。また、北海道の漁業・造船関係資料が、町村史や文献資料の発掘によって手に入れることができた。これらの資料は、本研究の最終年度である平成25年度の調査で実施予定の現地での検証のために、目下、質問事項を含め項目ごとに整理作業をしているところである。 以上から、研究計画は概ね当初の予定通りに進んでいると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
収集したデータを整理し、椴法華にて検証調査を実施する。その際には、現地の元漁師等の協力をあおぐ。 収集したデータを編纂し、写真付き方言資料集を作成する。その際、デジタルデータとして音声及び画像をDVD-R化して添付する。 完成した方言資料集は印刷公刊する。これは、方言の調査に協力してもらった地域の然るべき機関に寄贈する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
検証調査のための国内旅費として。 専門知識の提供者への謝金として。 資料集公刊のための印刷費として。 DVD-R等の記録媒体の購入費として。
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