2012 Fiscal Year Research-status Report
短期留学が英語オーラル・コミュニケーション能力と学習者の意識に与える影響
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23520759
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
佐藤 陽子 法政大学, 経営学部, 教授 (80523125)
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Keywords | 短期留学 / スタディ・アブロード / 英語教育 / オーラル・コミュニケーション / 異文化コミュニケーション / 第二言語習得 |
Research Abstract |
本研究は、英語圏への短期留学が日本人大学生の英語オーラル・コミュニケーション能力に与える影響を多面的に調査し、言語習得に大きく影響を与える、英語学習および異文化コミュニケーションに対する学生の意識の変化も合わせて分析するものである。また、留学準備コースの有用性を検証する。これらを総合的に考察することにより、効果的な短期留学プログラムと準備コースのあり方を提言する。 当該年度は、前年度の予備研究の成果を国際学会にて口頭発表し、学会誌に論文として投稿した。また、主データの収集および分析と経過報告を行った。具体的には、以下のデータを収集、分析した。1、ネイティブ・スピーカー試験官による、平成24年度留学生29名のオーラル・コミュニケーション能力評価(留学直前・直後)、2、上記学生による、留学直前・直後の自己評価、3、英語学習と異文化理解・コミュニケーションに対する意識、および留学準備コースの有用性についてのアンケートへの回答。データ分析の主な結果は、次のとおりである。ネイティブ・スピーカー試験官の評価によれば、留学後には、学生のオーラル・コミュニケーション能力は、測定したすべての側面で有意に向上した。また、留学前のスコアと、留学前後のスコアの差の間に、有意な逆相関がみられた。すなわち、留学前に能力の低かった学生ほど留学による伸びが大きかった。学生へのアンケートの結果によれば、留学により、異文化理解が深まり、英語学習に対する意欲と異文化に対する興味が高まった。 これらの結果から、短期留学は、学生の英語オーラル・コミュニケーション能力の向上と、英語学習に対する意欲および異文化に対する興味と理解を促進すると考えられる。この成果は、今後ますます重要性が増すと思われる短期留学を促進するための貴重な資料となることが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度は当初の計画通り、平成23年度の予備研究に基づいて本研究を行い、データ収集・分析を行った。また、23年度の予備研究の成果を学会にて発表し、論文にまとめて学会誌に投稿した。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、主データの収集および分析と、経過報告を行う。すなわち、平成25年度短期留学生のa)留学前後の英語能力の変化、b)英語学習、異文化コミュニケーション等に対する意識変化、およびc)留学準備コースの有用性についての調査を行う。また、研究の途中経過を国際学会にて発表するとともに、論文として投稿する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度の研究費は、主に、研究の途中経過を国際学会にて発表し、関連分野の研究者と意見交換するための学会参加費および出張旅費に使用する予定である。具体的には、9月と3月を予定している。
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