2012 Fiscal Year Research-status Report
小学校英語の単語認知に関する実証的研究と英語活動に使用できる将来的教材開発
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23520781
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Research Institution | Hiroshima International University |
Principal Investigator |
三宅 美鈴 広島国際大学, 保健医療学部, 教授 (50352034)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松川 文雄 広島国際大学, 工学部, 教授 (50352042)
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Keywords | 小学校英語教材 / AR(拡張現実感) / 単語認知 |
Research Abstract |
本研究の目的は、音と文字の結び付けに関する研究に加え、意味理解も含めた単語認知に関する実証的研究と将来的教材開発である。平成23年度(初年度)では、形容詞、動詞、名詞のAR(Augmented Reality:拡張現実)を用いた教材を作成し、これを使用した授業(AR型授業)と従来の絵カードを使用した授業(従来型授業)を、小学校6年生を対象に実施するとともに、授業の前後に実施したテストでデータ収集を行った。テスト内容は、単語の音と文字および意味の結び付けの正答率と、音と文字の結び付けに要する時間(解答時間)である。平成23年度は形容詞のデータ分析と考察を行った。 今年度(平成24年度)は、昨年度の実験結果を関連学会にて研究発表し論文にまとめた。また、昨年度の実験結果の信頼度を向上させるために、同じ小学校の6年生を対象にして、名詞と動詞に関して再実験を行い、昨年度収集した名詞のデータ解析および分析も行った。 名詞の音と意味とスペルの結びつきおよびその解答時間に関しては下記のような結果が得られた。1.音と意味においては、2つの教材間に有意な差はなかった。2.音とスペルにおいては、事後テストにおいてAR教材のほうが正答数が多いことがわかった。3.解答時間においては、両教材間に差は認められなかった。考察として、音と意味に有意な差が見られなかったのは、実験で使用した職業の名詞の多くがナース、ドクターなど外来語として日本語に定着していることが原因の一つと考えられる。また、解答時間に有意な差がなかったのは、実験授業が3回しか行われなかったため、実質的処理時間に差を生むほどの効果がなかったことが考えられる。両教材間に有意な差が見いだせた音とスペルに関しては、ARカードは、意図的ではなく興味関心を強く持ちながらスペルを見ることで、絵カードよりスペル認知が高まったと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成24年度の当初計画では、実験用教材を使用しての授業実施と単語認知評価テストを行うことであったが、これらは昨年度の8月に実施することができたため、今年度は昨年度のデータ分析とその一部を学会発表および論文にまとめることができた。また、データの信頼性を向上させるために、再実験も行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度の実験データの解析および分析を行い、関連学会にて研究発表と論文にまとめていく。具体的には、名詞と動詞の再実験結果の解析と分析を行い、前年度のデータと合わせて、再検討する。また、学会で発表した後の知見を生かし、論文にまとめていく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
最終年度である平成25年度では、主に研究発表と論文作成に研究費を使用していく予定である。また、実験結果から得た知見を生かし、教材の改良も視野に入れ、試作制作にも研究費を使う計画である。
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Research Products
(2 results)