2011 Fiscal Year Research-status Report
東北三陸社会の資源活用・生業知と大規模イエ経営体の歴史学的研究
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23520826
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Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
齋藤 善之 東北学院大学, 経営学部, 教授 (00196023)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 日本近世史 |
Research Abstract |
本年度は、研究の初年度として研究に向けた調査機材を導入した。それらは現地での古文書史料・景観撮影に用いるデジタルカメラ1台、撮影した画像の処理にあたるパソコン2台(ノート型1台は現地でのデータ保存用、デスクトップ型1台は研究室での画像処理・データ保存用)、データの取込みをするスキャナ1台、データの出力をするプリンタ1台である。 現地調査は、平成23年9月1日から4日までの3泊4日の日程で実施した。調査への参加者は研究代表者のほかに5人(うち連携研究者1人)であった。調査対象は、岩手県大船渡市三陸町綾里砂子浜の千田基久兵衛家で、4日間にわたり同家を訪問し、同家が保存する江戸時代以来の古文書の調査と撮影、聞き取り調査を実施した。なお同家は東日本大震災の津波で床上浸水の被害を蒙っており、その被災状況も合わせて記録(写真と聞き取り)した。 調査後、研究室において撮影された画像データの整理ならびに保存処理を行った。 次いで平成24年2月21日9時30分から19時まで東北学院大学土樋キャンパスにおいて調査済みの史料画像データを活用した研究報告会を行った。参加者は研究代表者のほかに5人(うち連携研究者2人)で、全員が本研究の課題にもとづき研究報告と討論を行った。 その後2月22日午後から23日にかけて、研究代表者と連携研究者1名は大船渡の現地(千田家)を再訪して、補足の調査を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の主たる研究対象となる千田基久兵衛家(岩手県大船渡市)に保存されている膨大な古文書を調査し撮影する作業は、本年度の4日間にわたる作業の結果、古文書史料画像10945コマを撮影した。これにより同家に残る未撮影史料のうち、ほぼ半数ほどの撮影が終了した。 また撮影済みの史料画像データは、整理保存したうえで、連携研究者をはじめとする研究協力者と共有し、その内容把握と解読を進めた。その成果として平成24年2月に研究報告会を行い6本の研究報告を得た。その内容としては、漁業経営論、海産物流通論、海運論、在村工業論、所蔵絵画論、東北社会論であった。 以上のことから現在までに予定した調査と研究を終了することができた。 また千田家は東日本大震災の津波で被災したため、同家の土蔵に保存されていた古文書の保管についてより万全を期すべために収納容器の入れ替えなど、史料保全の作業を調査と平行して実施し、また同家の被災状況についても記録をとった。この点については当初の予定にはなかった成果を得られたものと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度も引き続き千田基久兵衛家の古文書の調査と撮影を進める。そのため昨年度と同規模(3泊4日)の現地調査を同家において実施する。撮影が順調に進めばこの調査において残る史料の撮影が終了する可能性もあるので調査ではそれを目指して精力的に進めたい。 次に、連携研究者や研究協力者とともに撮影した史料の内容把握と解読をすすめ、研究を進展させる。 そのため昨年度同様の研究報告会を2月頃に実施し、各メンバーには昨年の個別報告をさらに進展させた研究報告を行ってもらうこととする。 なお研究対象の領域については、今後さらに農山村落史、宗教生活史といった分野の研究者の参加を求め、研究課題のいっそうの総合的な解明を目指したいと考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
夏の現地調査は3泊4日で岩手県大船渡市の千田家において行う。研究協力者として10人程度の参加で、経費は旅費50万円程度を見込んでいる。 冬の研究報告会は1泊2日で宮城県仙台市の東北学院大学で行う。研究協力者6人程度の参加で、経費は旅費25万円程度を見込んでいる。 その他は物品費となるプリンタのトナーやペーパー代として15万円程度を見込み、また千田家文書の古文書目録作成のための謝金10万円程を見込んでいる。 以上で総額100万円の次年度経費を活用していきたい。
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Research Products
(2 results)