2012 Fiscal Year Research-status Report
東北三陸社会の資源活用・生業知と大規模イエ経営体の歴史学的研究
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23520826
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Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
齋藤 善之 東北学院大学, 経営学部, 教授 (00196023)
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Keywords | 日本近世史 |
Research Abstract |
2年目となる本年度は、昨年度に導入した調査機材を活用して下記の調査研究活動を実施した。 まず平成24年8月30日から9月2日までの3泊4日の日程で、現地調査(1回目)を実施した。参加者は研究代表者のほかに7人(うち連携研究者2人)であった。調査地は、岩手県大船渡市三陸町綾里砂子浜の千田基久兵衛家で、4日間にわたり同家を訪問し、そこに保存されている江戸時代以来の古文書の整理と撮影を行った。撮影された古文書資料の画像は11477コマであった。 継いで12月9日から11日までの2泊3日で現地調査(2回目)を実施した。参加者は研究代表者のほかに1人であった。調査地は塩竈市、石巻市、南三陸町、気仙沼市、陸前高田市、大船渡市で、震災前に所在が確認されていた津波碑(12件)の現状を確認し記録作成(撮影)をおこなった。 さらに平成25年3月18日から21日の3泊4日で研究会と現地調査(3回目)をあわせて実施した。参加者は研究代表者のほかに6人(うち連携研究者2人)であった。そのうち研究会は東北学院大学で実施し参加者の研究報告ののち討論をおこなった。また現地調査は、研究代表者のほかに4名(うち連携研究者2)が参加し、石巻市ならびに南三陸町の津波碑5件の現状を確認し記録作成(撮影)をおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究課題を解明するための主たる研究対象となる千田基久兵衛家(岩手県大船渡市)に保存されている古文書の撮影については、4日間にわたる作業の結果、古文書史料画像11477コマの撮影が終了した。前年度の成果と合わせると22000コマあまりの撮影が完了したことになる。 撮影済みの史料画像データは、連携研究者をはじめ研究協力者と共有してその解読を進めた。その成果は平成25年3月に実施した研究会においてなされた研究報告に結実している。 以上のことから現在までのところ予定どおりの調査研究の進展状況にあるといえる。 なお前年に引き続き東日本大震災の津波で被災した千田家の土蔵に保存されている古文書の保管について収納容器の入れ替え作業を平行して進めた。この点は当初の予定にはなかった成果と考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度も引き続き千田基久兵衛家に残された古文書の撮影調査を進める。なお本年度をもって同家に残された史料すべての撮影を完了させることとしたい。そのため昨年度と同規模(3泊4日)の現地調査を同家において実施する。また終了前に研究会を実施し、史料調査の成果をメンバー各自が研究報告にまとめるとともに、研究代表者によって本研究課題についての全体的な総括を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
9月に実施する現地調査(3泊4日・於岩手県大船渡市・7人程度参加見込み・旅費50万円程度)、および2月に実施する研究報告会(1泊2日・仙台市・7人程度参加見込み・旅費25万円程度)を中心的な支出として、その他は物品費となるプリンタトナーやペーパー代が15万程度、報告書作成のため10万円程を見込む。以上で総額100万の次年度経費を有効に活用したい。
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