2014 Fiscal Year Research-status Report
中・近世における地方寺院の宗教活動の基礎的研究―尾道・西國寺所蔵聖教・典籍など―
Project/Area Number |
23520849
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
濱田 宣 徳島文理大学, 文学部, 教授 (20299332)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 優 徳島文理大学, 文学部, 教授 (20309694) [Withdrawn]
古田 昇 徳島文理大学, 文学部, 教授 (30299333)
青木 毅 徳島文理大学, 文学部, 准教授 (70258317)
橋詰 茂 徳島文理大学, 文学部, 教授 (40462072)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2016-03-31
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Keywords | 仏教史学 / 聖教 / 典籍 / 寺院史 / 日本史 / 文化史 / 仏教 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究推進の根幹をなすのは、広島県尾道市・西國寺における現地調査である。この現地調査において、①資料調書作成、②資料の写真撮影、③資料整理(個別番号札の貼付及び保存箱への収納による保存措置)、④入力した電子データと原資料との照合による校正作業などを行った。これを受けて、大学において日常的に調書と写真の整理や、⑤資料のデータを収録した報告書の刊行を準備した。 研究分担者・研究協力者・調査補助員(徳島文理大学学生及び大学院生)による西國寺における調査(延べ8日間)を実施し、①資料調書作成:312点、②資料の写真撮影:678点、③資料整理:829点、④入力した電子データと原資料との照合(調査研究報告書刊行準備):約500点、をこなたした。⑤『西國寺調査研究報告書』第12号(聖教データ:771点収録)を刊行した。 上記『西國寺調査研究報告書』第12号において収録した聖教は、寺院における修学活動のなかで生まれた教学・付法・法儀に関わる貴重な史料であり、仏教学はもちろん国語学や国文学、日本史学等の諸学において注目されているものである。西國寺における修学活動の状況を明らかにしていく上でも貴重なデータとなることは言うまでもなく、中世から近世にかけての史料が乏しい中、その欠落部分を補う価値がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
真言宗醍醐派西國寺は、すでに平安時代中期に存在の知られる古刹であるが、治暦2年(1066)、永和年間(1375~9)の2度の大きな火災により損害を受けたため、主としてそれ以降に集積された貴重な資料が約2万点伝来している。 現在までに、聖教:11,641点、典籍(調査完了)5,631点、近世・近代資料(調査完了)181点、仏像(調査完了)53点、仏教絵画(調査完了)219点、合計17,725点を調査により確認し、そのうち10,679点を電子データ化、9,765点のデータを調査研究報告書(12冊)として出版し公表している。なお、未調査の聖教は約50点あり、来年度には調書作成が全ての項目に関して終了する予定である。今後は、残り約7,000点の電子データ化、約3,000点の写真撮影、約5,000点の資料整理、約8,000点の調査研究報告書の刊行が課題であるが、調査研究を開始する15年前に立てた計画通り概ね進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、所蔵文化財全般の内容を明らかにすることは当然のこととして、密教学はもちろん国語学・国文学、日本史学等の諸学において注目される聖教や典籍類の内容を明らかにし、西國寺における修学・付法活動のみならず、広島県はもとより瀬戸内地域の歴史・文化の解明にも繋げていくものである。 今後は、残り約7,000点の電子データ化、約3,000点の写真撮影、約5,000点の資料整理、約8,000点の調査研究報告書の刊行を進めながら、資料分析を行う。ただし、調査対象となっている資料のほとんどが初見資料であるため、資料の全貌を明らかにした上で資料分析がなされなければ、不十分な成果報告となることは明白である。従って、資料の電子データ化及び目録化を優先させることが先決事項である。その完了までには、データ量からしてあと5年程度必要であると考えている。 調査からデータ整理を経て研究成果報告までの手順が確立し、十分な成果を上げており、今後、残された未調査資料及び未整理資料の調査研究を鋭意継続させる必要がある。言うまでもなく、ここまで続けてきた本調査研究を頓挫させるわけにはいかない。
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Causes of Carryover |
概ね予定通り支出しており、問題はないと思います。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
総額800千円 1.旅費交通費450千円:調査員(研究分担者・研究協力者)及び調査補助員(徳島文理大学学生)の現地調査(香川県さぬき市~広島県尾道市、3泊4日)に必要な経費として、調査員6名分(300千円)、調査補助員5名分(150千円)に相当する。2.物品費30千円:調査用品・資料整理に必要な文房具などを購入する。3.その他320千円:資料写真焼き付け代(30千円)、電子データ入力委託費(200点、90千円)、調査研究報告書印刷製本費(100冊、200千円)に相当する。
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Research Products
(1 results)