2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23520875
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Research Institution | Kokugakuin University |
Principal Investigator |
金子 修一 國學院大學, 文学部, 教授 (60093952)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 外交文書 / 国書 / 日本 / 渤海 / 新羅 / 古代中国 |
Research Abstract |
本研究の目的は、8世紀から10世紀を中心に、日本と渤海・新羅及び中国(隋唐など)との間で交わされた外交文書40通について、諸写本を調査して校訂したテキストに基づいて、読み下し文と注釈とを作成することである。あわせて、その作業によって得られた知見に基づいて、当該時期の東アジアの国際関係について多面的に検討を加え、対外関係史に関する新たな成果を提示することである。 そのために昨年度は、初めに写本で伝わる『続日本紀』等の日本と渤海・新羅との間の外交文書に関する史料を調査し、校訂されたテキストを作成した。連携研究者の廣瀬憲雄を中心に、宮内庁書陵部・内閣文庫・東京大学史料編纂所等で写本の調査を行い、紙焼きの史料を作成した。続いて、連携研究者を中心に写本班を立ち上げ、上記外交文書に関する詳細な校勘作業を行い、校訂したテキストを作成した。そのテキストに基づいて、日本と渤海・新羅及び中国との間の外交文書の訳注を作成した。中国については、唐のみならず、南朝の宋や隋と日本(倭)との間の外交文書についても訳注を作成することとした。 平成23年4月から平成24年2月まで、合計8回の検討会を行い、研究代表者の金子修一、連携研究者の鈴木靖民・石見清裕の三名を監修者として各文書ごとに概要・本文(校訂した原文)・校異・訓読・語釈・現代語訳・考察・参考文献・参考史料集からなる訳注集を作成した。また、日本や唐の外交儀礼(賓礼)に関する考察も含む「日本古代の外交文書 総論」も作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定した写本の調査及びそうして集めた史料に関する校訂作業はおおむね終了した。その成果に基づいた訳注作業は研究協力者や、この問題に関心を持つ大学院生等が分担して行っている。概要・訓読・語釈・考察などに関する形式の確定についてやや時間がかかったが、現在ではその作業もおおむね順調に推移している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後さらに訳注の作業を進め、金子・鈴木・石見の監修者も総論・本編すべてに眼を通し、必要に応じて分担執筆者全員も含めて、訳注等について検討を重ねてゆく。また、写本の調査も適宜続行していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
訳注作業の進展のため、合宿も含めて訳注の検討会をできるだけ多く開催していく。その作業に必要な関連史・資料、書籍も購入する。必要に応じて写本の調も続けていく。
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Research Products
(3 results)