2013 Fiscal Year Annual Research Report
現代中国都市の住宅供給における不動産企業の福祉的性格の二面性
Project/Area Number |
23520958
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
土居 晴洋 大分大学, 教育福祉科学部, 教授 (40197992)
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Keywords | 国際情報交換 / 中国 / 都市 / 住宅 / 改革開放政策 / 保障性住宅 / 民間不動産企業 / 単位 |
Research Abstract |
平成25年度は現地調査を2度(第1回:9月22日~25日,第2回:10月24日~29日)行い,本研究課題で主眼としている民間不動産企業による住宅開発とともに,単位による職員用住宅の開発など,幅広く保障性住宅の開発に関する資料を収集した。 第1回は北京市を訪れ,北京市海淀区北部地区開発建設委員会などの政府機関において聞き取り調査を実施した。これらの機関では主として郊外地域の都市開発の現状とその中での住宅整備の実態などについて情報を得た。近年,北京市では新空港建設など郊外地域において大規模都市開発が盛んとなっており,それに伴って商品住宅ばかりでなく,保障性住宅の建設も進められていることなどが明らかとなった。 第2回は蘭州市を訪れ,市街地周辺地域の都市化過程に関わる住宅地などを訪れ,住宅開発の経緯や現状を記録した。流入する農民工の居住地域では再開発による住宅整備が行われているほか,公的機関関係者のための住宅開発が継続的に行われていることなどが確認された。 また,全国的な統計データの分析には『中国城市統計年鑑』,『中国房地産年鑑』などを用い,全国的な都市機能の経年的変化と住宅開発の関係に関して考察した。その結果,2000年以降急速に都市機能が第2次産業から第3次産業へとシフトしつつあること,大都市ほど保障性住宅の開発面積の割合が高いことや,沿海地域から内陸地域に開発動向が移行していることなどが明らかとなった。
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