2012 Fiscal Year Research-status Report
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23520996
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Research Institution | Edogawa University |
Principal Investigator |
阿南 透 江戸川大学, 社会学部, 教授 (50255204)
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Keywords | 都市祭礼 / 暴力 / 自粛 / 日常と非日常 |
Research Abstract |
平成24年度は、前年度に調査を開始した祭礼、福野夜高祭、伏木けんか山、砺波夜高祭、築地だんじり祭りについて研究代表者および連携研究者が分担して、調査を行った。また、補足調査を行って祭礼の全体像を把握することに努めるとともに、現地の祭礼関係者、行政、地元研究者等と交流を深めた。そして次年度以降の調査計画を立案した。さらに、関連する祭礼として、津沢夜高祭、祈念穀祭(富山県南砺市、高祖神社)、六郷のカマクラ(秋田県美郷町)についても初調査を行った。 それとともに、研究代表者および連携研究者がこれまで研究を重ねてきた青森ねぶた祭、角館のお祭り、森の祭り、見付天神祭、くらやみ祭(府中大國魂神社)について、「暴力」に焦点を絞った調査を継続した。また、東日本大震災の影響を受け、一昨年度はくらやみ祭をはじめとする東京の祭りが中止になったことから、暴力の裏返しともいえる「自粛」についても資料を収集した。さらに、こうした成果を共有するための研究会を3回開催した。また、日本民俗学会年会に参加し、最先端の研究動向を収集して、理論的考察の開始に備えた。 これらの調査の成果として、個別の祭礼における「暴力」とそれを制御する仕組みについて、理解を深めることができた。また、調査地域の周辺には類似した祭礼がさらに存在することが判明したため、次年度の調査に組み込むことにした。このことは、研究の広がりとさらなる知見を得られる可能性をもたらすものである。 成果として、連携研究者の中里亮平が、平成23年のくらやみ祭が東日本大震災の影響で中止になったことを中心に、首都圏において「自粛」と「暴力の抑制」が拡大していった状況を発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで研究を重ねてきた祭礼はもちろんであるが、23年度から調査を開始した祭礼についても、関係者との信頼関係を構築し、祭礼の全体像を把握するなど、事前に予定したとおりの成果を上げることができた。そして、当該の祭礼を「暴力」という観点から分析するために必要な資料をある程度収集することができた。 また、平成23年は東日本大震災によって各地の祭礼が「自粛」したが、この現象を、「暴力」の裏返しの現象ととらえることで、「暴力」の在り方を浮き彫りにするという視点を得ることが出来た。 さらに、周辺地域に関連した祭礼を発見することができ、研究のさらなる広がりを見いだすことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究は当初予定した通りに進行している。そこで、今年度に引き続き11つの祭礼の調査を行う。また、昨年度の調査で追加調査の必要性が認められた祭礼として、古川祭(岐阜県飛騨市)、庄川行燈祭(富山県砺波市)、貴船だんじり祭等があり、これらの調査を追加する。さらに、日本民俗学会、日本文化人類学会など関連学会に出席し、現在の研究動向の収集に努める。 こうして得られた成果を、研究会の開催によりメンバーが共有し、理論的考察を深めるとともに、個別の研究論文を執筆する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究は平成26年度までの4年計画で補助を受けているが、3年目にあたる次年度は、予定した研究費については予定どおり支出する予定である。 なお、平成24年度の研究費に残金があるが、これは、東日本大震災の影響で各地の祭礼が「自粛」になり、調査規模を縮小したこと、当初予定した調査地の周辺に類似した祭礼の存在が明らかになったため、以後の年度に追加調査を実施すべく、23年度の支出を節約したことによるものである。この残金が25年度に繰り越されており、今年度の旅費に追加する予定である。
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Research Products
(4 results)