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2013 Fiscal Year Annual Research Report

ローマ法定抵当権史研究

Research Project

Project/Area Number 23530024
Research InstitutionFukuoka Institute of Technology

Principal Investigator

西村 重雄  福岡工業大学, 社会環境学部, 教授 (30005821)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 篠森 大輔  神奈川大学, 法学部, 准教授 (40363303)
Keywordsローマ法 / 法定抵当権 / 質権
Research Abstract

1)ローマ帝国支配下の2-6世紀に主としてエジプトで作成されたパピルス法律文書の検討から、時代が下がるにつれて、契約文書に債務者の総財産の質入を約する事例が増加することが判明した。また、その中には、執行認諾条項(さらに、個別質入条項も)含むものが多いが言及のない場合も少なくない。このことからユースティアーヌス帝立法において、法定抵当の拡大に対しては、抵抗が少なかったと理解すべきことになる。このことは、一般債権者に対する債務者責任財産を減少させる効果をもたらすことになる。また、債務者の故意的財産散逸行為に対して対抗手段が不可欠となる。
2)パウルス訴権に関するユースティアーヌス帝法学提要4、6、6における絶対的奪格で記述される“その財産が属州長官の判決に基づき債権者達が占有した上で”は、先立つ「債務者が土地を引き渡した」部分に係るものとの結論に至った。今日の通説である、後続の「債権者達に許容される」に係るとする見解は、近時の校訂版における、句読点の誤った打ち方に由来し、また、対応するギリシャ語義解本文の接続詞 エンオー の使用例の分析からも是認される。このことから、D、42、8、1prに破産手続告示に付随して伝えられる告示は破産手続開始後の散逸行為を管財人が責任財産に取戻す場合を規定すると推測しうる。他方詐害特示命令(同10法文)は、包括質債権者のためと理解する可能性があり、優先弁済権を認めることに矛盾がない。このことは、詐害行為訴権の歴史を考える上で重要であろう。

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Published: 2015-05-28  

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