2013 Fiscal Year Annual Research Report
戦前期日本の司法と軍のインターフェイスとしての軍法務官に関する実体研究
Project/Area Number |
23530168
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
西川 伸一 明治大学, 政治経済学部, 教授 (00228165)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小森 雄太 明治大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (70584423)
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Keywords | 軍法務官 / 軍法会議 / 政軍関係 / 司法行政 |
Research Abstract |
平成25年度の研究成果:平成25年度は、本研究課題「戦前期日本の司法と軍のインターフェイスとしての軍法務官に関する実体研究」の実施最終年度であることを踏まえ、研究成果の「可視化」を目指し、前年度までの研究成果の総括化を行った。一方、研究成果の社会への還元の一環として、David. S. Lawワシントン大学教授を招へいした研究会を開催した。Law教授は戦前の司法制度を淵源とする我が国における司法行政について、我が国における司法行政を取り巻く環境の変化や諸外国の司法機関との比較を通じて、あるべき司法行政の姿を提示した。 また、研究分担者である小森雄太(明治大学)は、本研究課題の主要な分析視角である「政軍関係」について、近代型以降の政軍関係の主要な形態である文民統制と安全保障の均衡について、近代以降の日本を事例とした検討を実施し、文民統制と安全保障は対立する概念ではないこと、国家構造における文民統制と安全保障の関係性を考察する際に、緊急性の高い事案に対応し、かつ民主主義を担保し得る客体的文民統制があるべき政軍関係であるということを析出している。 研究成果の意義・重要性:本研究課題は、政治学のみならず、基礎法学あるいは行政学などに対しても、大きな波及効果が期待できる。さらに、平成25年度に実施した研究を通じて、関連諸分野あるいは社会への還元がある程度達成できたものと考える。併せて、同年度は前年度までに行った軍法務官や軍法会議に関する研究史の整理も継続した。この成果は今後に研究代表者が予定している関連研究の重要な基礎を構成するものである。 また、軍法務官や軍法会議をはじめとする軍制の前提条件となる政軍関係についても、これまでの研究成果をもとに分析枠組みの精緻化を行い、これまでの画一的な政軍関係のイメージとは異なる新たな文民と軍人の関係性を描出したことが大きな成果として挙げられる。
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