2012 Fiscal Year Research-status Report
共生と脱覇権の国際秩序像-英国学派国際関係論による包括的検討
Project/Area Number |
23530204
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
佐藤 誠 立命館大学, 国際関係学部, 教授 (70205962)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大中 真 桜美林大学, リベラルアーツ学群, 准教授 (70310331)
SHANI Giorgiandr 国際基督教大学, 教養学部, 准教授 (40569993)
池田 丈佑 大阪大学, 国際公共政策研究科, 招聘研究員 (50516771)
安藤 次男 立命館大学, 国際関係学部, 教授 (50066726)
龍澤 邦彦 立命館大学, 国際関係学部, 教授 (40255162)
陳 慶昌 立命館アジア太平洋大学, アジア太平洋学部, 准教授 (50569788)
佐藤 史郎 大阪国際大学, 国際コミュニケーション学部, 講師 (40454532)
宮崎 麻美 熊本学園大学, 経済学部, 講師 (60579332)
山中 仁美 名古屋商科大学, 経済学部, 准教授 (30510028)
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Keywords | 国際理論 / 英国学派 / 国際平和 / 国際正義 / 共生 / 文明 / 国際社会 / 国際政治 |
Research Abstract |
研究活動は予定通り行われ、満足すべき成果をあげた。実績の第一は、国際招聘による2回の国際シンポジウム(11月のインド・ジンダル大学Cho Young Chul博士、3月の台湾国立大学Shih Chih Yu教授およびオーストラリア国立大学Ian Hall博士)の実施。第二は、メンバーによる2回の全体研究会と若手を中心とする6回の基礎理論研究会の実施。第三は、LSE図書館などでの学派指導者のマニュスクリプト分析。第四は単行本出版に向けての準備作業。第五は学術誌、紀要、学会報告などでの成果発表であり、以下、その一部を紹介する。 龍澤邦彦「国際機構と国家主権の制限 EUの場合」『憲法研究』44号、2012年、27-51頁。大中真「英国学派(イングリッシュ・スクール)の確立―マーティン・ワイトの生涯と業績」『一橋法学』第11巻、第3号、2012年、981‐1013頁。佐藤誠「日本人の平和認識―英国学派の「多元主義」「連帯主義」論争にてらして」『立命館国際研究』25巻3号、2013年、231-249頁。 Giorgio Shani, “Empowering the Disposable? Biopolitics, Race and Human Development,” Development Dialogue. Vol.58,2012, pp.99-115.Chen Ching-Chang, “The Im/Possibility of Building Indigenous Theories in a Hegemonic Discipline: The Case of Japanese International Relations,” in Asian Perspective, Vol.36, No.3, 2012, pp.463-492.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
英国学派は国際社会における規範や法の役割を重視するいっぽう、非西洋圏の諸文明や独自の国家システムについても関心を払ってきた。本研究は、だが学派が結局は西欧中心主義を免れなかったのではないかという想定にたち、実証と理論の両面から取り組んできた。具体的には第一に、学派の創始者の古典的研究を必要ならばマニュスクリプト分析も含めて行い、理論的骨格を再検討すること。第二に、非西欧圏とりわけ経済成長著しいアジア地域における国際関係理論研究の現状、オリジナルな理論構築の試みを、現地の研究者との協力を通じて明らかにすることである。そのための国際的ネットワーク構築は、学派の拠点たる英国およびオーストラリアと、アジア圏の二方向で進められた。 現在まで、以上のような目標に沿った研究がほぼ期待していた水準で進行している。具体的には2011,2012年度いずれも、①海外招聘による国際シンポジウム・セミナ―を2回、②メンバーによる全体研究会を2回および若手を中心とする基礎理論研究会を5-6回程度実施、③メンバーによる国内外での学会報告、紀要、学術誌、ワーキングペーパーなどでの成果発表、④単行本刊行のための編集作業、⑤LSE図書館でワイト文書、オクスフォード大学ボードリアン図書館でブル文書の研究、などである。 とりわけ国際発信については、上記の立命館シンポジウムだけでなく、アジア研究国際会議(2012年6月、大阪)、アジア太平洋研究国際会議(同年11月、台湾・高雄)、インド国際関係学会大会(同年12月)などでもメンバーが報告を行い、成果は国際ジャーナルを通しても公表が進んでおり(Asian Perspective誌など)、国際ネットワーク構築のさらなる展開が期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
現在まで研究はおおむね想定したフレームワークで計画に従って展開しており、研究方法も大きく変更する必要はないと判断している、具体的には、i)国際シンポジウム・セミナー開催による最新の成果把握および成果発信、ii)メンバーによる全体研究会と基礎理論研究会を通じた理論と実証の両面からの研究深化と相互の知見交換、iii)参加メンバーによる学会報告、論文発表のバックアップ、iv)成果の一部である単行本の刊行、v)英国学派の歴史的形成過程を明らかにするため、英国でLSE資料などの調査実施、vi)海外研究者とのネットワーク拡大、などである。 同時に、より長期的な視点に立った場合、これまでに新たに知見としてえた以下のような論点を究明することが今後は重要になるであろう。 1)非西欧地域の視点から国際関係論を再検討しようという試みはアジア地域を中心になされつつあり、具体的な成果刊行物も(東アジア・西アジア・アフリカなどで)生まれている。反面、それが排他的地域主義やナショナリズムの合理化に利用される傾向も生まれつつある。2)英国学派の創始者は当初から、非西欧圏の国際関係に対する関心をたとえばSystems of States(複数システム)として抱いていた。それをどう発展させるか、文明との関係があらためて問われる。3)学派の創始メンバーの思想について、刊行物だけでなく、未刊行のマニュスクリプトを読み込んで再検討する努力がますます求められるであろう。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
1.国際シンポジウム関連(55万円)~海外招聘国外旅費、参加のための国内旅費 2.研究報告会関連(20万円)~国内旅費、宿泊費 3.単行本出版関連(15万円)~当該書籍購入代 4.アルバイト謝金(25万)~アルバイト謝金、海外招聘者謝金 5.雑費(5万円)~文房具、コピー代、その他
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Research Products
(10 results)