2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23530205
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Research Institution | Kansai Gaidai University |
Principal Investigator |
池田 亮 関西外国語大学, 英語キャリア学部, 准教授 (60447589)
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Keywords | 脱植民地化 / 冷戦 / スエズ危機 / 中東 / エジプト |
Research Abstract |
本年度は、来年度に向けて、以下のように重要な発見と進展があった。現在まで、私はスエズ危機に至る前史として、フランスの対チュニジア・フランス政策を検討してきた。2013年2月に、この成果を『植民地独立の起源:フランスのチュニジア・モロッコ政策』(法政大学出版局)として出版したが、『植民地独立の起源』に関して書評会を開催していただいた。2013年7月にEUIJ関西研究会(神戸大学)、9月に20世紀国際政治史研究会(河合塾千種校)にて開催された。特に後者では、帝国史研究を専門とされている木畑洋一教授(成城大学)がコメンテーターを務めてくださった。いずれの研究報告においても、今後の研究につなげることのできる極めて有益なコメントをいただくことができた。また、2014年3月には、チュニジア・モロッコ脱植民地化過程と西側同盟内関係に関する報告を行った。この時期に続くスエズ動乱期において、西和賀同盟内関係がどのように変化したのか、比較しながら検討を進めている。 なお、現在、上記の単著を英語で出版する準備を進めており、2014年度か2015年度中には公刊したいと考えている。 当初の研究計画では研究範囲をイギリスが対エジプト攻撃開始までとしてきたが、新たに研究を拡大する必要性を感じた。その結果、当初の予定を一年繰り上げて科学研究費(基盤C)の継続申請を行った。この申請は幸いにも採択されたため、引き続き研究を継続できることになった。具体的には、イギリス政府がなぜ、国連総会によるスエズ戦争停戦決議を受諾したものの、その後も運河地帯に軍隊を駐留させ続け、数か月後に撤兵に応じたかを検討したい。開戦だけではなく停戦および撤兵までの全過程を追うことにより、イギリス政府のスエズ戦争に関する動機の全体像を把握できると考えており、今後の研究を進めていきたい。
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