2012 Fiscal Year Research-status Report
排除可能な公共財供給メカニズムと供給者間競争に関する実験を含めた総合研究
Project/Area Number |
23530231
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
船木 由喜彦 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (50181433)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
VESZTEG Robert 早稲田大学, 政治経済学術院, 准教授 (30597753)
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Keywords | 経済学実験 / 公共財 |
Research Abstract |
本年度は、研究課題に即して、以下の公共財供給に関するクラブの形成に関する意思決定の実験を行った。 (1)2012年12月7日 (2)2012年12月7日 (3)2013年1月11日 (4)2013年2月25日 (5)2013年2月25日 これらの実験では、各回の実験参加者は20名で、参加者は10人ずつの2つのグループに分けられた。さらに、実験は20ラウンドから成り、各ラウンドで20ポイントの初期保有から公共財への投入量を決定する。この実験が他の実験と異なるのは、公共財に何ポイント投資するのか決定する前に、クラブに加入する機会が与えられることである。そのクラブへの参加者は投票によって投入量を調整することができる。クラブが成立すると、クラブに加入した者はメンバーに最も支持されている投入量を必ず投資をしなければならない。クラブに加入しない場合は自由に投入量を決定できる。クラブのメンバーは、全員が従う投入量に関して投票を行う。このとき、3種類の投入レベル(0%、50%、100%)から選ぶか、2種類の投入レベル(0%、100%)から選ぶかを実験条件として比較している。この実験の結果として、理論的にはいずれの投入レベルのケースでも、クラブが形成されるはずであるが、実験では2種類のケースではうまくいかず、3種類のケースでも理論的予測である100%投入レベルでは合意されず、50%へ投票することが多く見られた。 現在、これらの結果および、その他の結果に関して総合的に分析を行っている。中間的な分析結果は、ワークショップや学会などで報告された。また、中間的な分析結果も現在論文としてとりまとめている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
すでに、研究実績の概要に述べたように、公共財供給のためのクラブ形成に関して5回の本実験を行っており、データの蓄積および分析を進めている。さらに、その結果を内外のワークショップなどで報告を行い、研究者から様々な意見を得ることが出来た。結果のとりまとめとともに、論文作成も順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
2013年度は本研究の最終年度として、いままでの実験結果を整理し、さらなる、学会報告を行い、さらなるコメントのもと、論文を完成させる。その際、詳細な考察の上、不足すると思われる内容があれば、それに関する追実験を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(5 results)