2013 Fiscal Year Annual Research Report
排除可能な公共財供給メカニズムと供給者間競争に関する実験を含めた総合研究
Project/Area Number |
23530231
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
船木 由喜彦 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (50181433)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
VESZTEG Robert 早稲田大学, 政治経済学術院, 准教授 (30597753)
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Keywords | 経済学実験 / 公共財 / クラブ形成 / 多数決 |
Research Abstract |
本年度は昨年度の実績に基づく分析を進めた上、実験データを補完するため、2013年11月29日に追加実験を行った。さらに、それらの結果を基にして、論文の草稿作成を進めている。なお、本研究に関連する新研究のためのパイロット実験もいくつか行った。 実験の各回の参加者は20名で、参加者は10名ずつの2つのグループに分けられる。実験は20ラウンドから成り、各ラウンドで初期保有20ポイントの中から公共財への投入量を決定する。通常の公共財供給実験と異なるのは、公共財への投入量決定の前に公共財供給クラブへのに加入する選択の機会が与えられることである。そのクラブに参加下メンバー、投票によって投入量を調整する。クラブのメンバは、メンバーの間で最も支持された投入量を強制的に投入しなければならない。クラブに参加しない場合は、自由に投入量を決定する。2つの処理があり、1つの処理では、クラブのメンバーは3種類の投入レベル(0%、50%、100%)の間で投票を行い、もう一つの処理では2種類の投入レベル(0%、100%)の間で投票する。 今までの実験の結果をまとめると、理論的には、いずれの処理においても、クラブが形成されるはずであるが、実験では2種類の投入レベルの処理ではかなりうまくいったが、3種類の投入レベルの処理ではうまくいかなかった。また、3種類の投入レベルのケースでは100%ではなく50%投入の合意がなされた。形成された最大のクラブサイズは6人グループであり、最も好ましい全員が加入するクラブは形成されなかった。参加者の行動は、それ以前のメンバーの行動に大きく依存している。 これらの基本的な結果をもとに現在、論文を作成中である。作成された論文は査読付き国際学術誌に投稿される。なお、本研究に関してはヨーク大学の博士課程大学院生であるJiawen Li氏の協力を得ている。
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Research Products
(10 results)