2011 Fiscal Year Research-status Report
適応的学習における金融市場の不完全性と金融政策の有効性
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23530234
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
中川 竜一 関西大学, 経済学部, 教授 (60309614)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 適応的学習 / 期待の異質性 / 学習安定性 / 銀行の横並び行動 / テイラー原理 |
Research Abstract |
本研究の目的は、人々が「適応的学習」によって期待形成するとき、金融市場の不完全性がマクロ経済の性質および金融政策の有効性にどのような影響を与えるかを明らかにすることである。平成23年度は、交付申請書「研究の目的 テーマI」について分析すると同時に、関連研究の研究成果を国内外に発表することに取り組んだ。 第1に、「研究の目的 テーマI」として、標準的な多変量マクロ経済モデルを構築し、異質の適応的学習におけるマクロ経済均衡の定性的性質を明らかにした。次に、学習の異質性の程度と均衡の安定性(均衡及び人々の学習行動が定常状態に収束するか否か)との関係を明らかにした。 第2に、関連研究として、1990年代以降の日本経済データを用いて、日本の銀行の「横並び」(学習行動の一つ)の貸出行動を検証し、銀行の横並び行動がマクロ経済環境に依存すること、将来のマクロ経済に対して攪乱的効果をもたらすことを実証的に明らかにした。 それぞれの研究成果を国際経済学会(Asian Meeting of the Econometric Societyなど)において発表し、テーマIの研究論文をReview of Economic Dynamics(査読付き)に投稿した。また「銀行の横並び行動」に関する研究論文は、国際経済雑誌(Pacific-Basin Finance Journal、査読付き)に公刊されることが決定した。さらに、アメリカ経済学会に出席し、外国研究者の最新の研究成果を確認した。これらの活動を通じて、研究方法を再検討すると同時に、外国研究者と直接的に交流し、将来の共同研究について打ち合わせすることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度は、当初の計画通り、「研究の目的 テーマI」についての研究論文の執筆、国際経済学会での発表、国際経済雑誌への投稿をおこなった。そのため、「研究の目的」の達成はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度では、23年度の研究成果をNew Keynesian 金融マクロ経済モデルに応用する(「研究の目的 テーマII」)。そして、金融マクロ経済の安定性を維持するために必要な金融政策の条件、および学習の異質性の変化が金融政策の条件に与える影響を明らかにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
金融マクロ経済学についての理論分析をおこなうため、マクロ経済学に関する図書費を計上する。数学的・数量的分析をおこなうため、数値計算言語ソフトウェアを購入する。海外の研究協力者との学術交流をおこなうため、海外および国内の出張旅費を計上する。研究成果を国際経済学会および国際学術雑誌において発表するため、英文校閲料、学術雑誌の投稿料を計上する。資料収集のための研究補助費を計上する。
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Research Products
(3 results)