2013 Fiscal Year Annual Research Report
環境市場の成長と政策効果に関するシミュレーション研究
Project/Area Number |
23530311
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Research Institution | Otaru University of Commerce |
Principal Investigator |
江頭 進 小樽商科大学, 商学部, 教授 (80292077)
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Keywords | 環境市場 / エージェントシミュレーション / 北海道経済 / 政策シミュレーション |
Research Abstract |
本年度は研究最終年度であるため、予定通りモデルの複雑化を行った。一つは,滋賀県と北海道の環境市場の違いをモデル上で再現し,市場の発達の程度に従った、環境意識の醸成や補助金政策の効果の違いを観察した。その上で、もう一度北海道内の環境意識に対する市民アンケートを行い、シミュレーション結果との突き合わせをおこなった。 ここで得られた結果より、個別の経済政策の立案において事前評価の方法として、エージェントベースシミュレーションが有効であることが確認された。しかも、エージェントベースモデルは、単に利益の最大化を目指す単調なエージェントだけでなく、環境改善とした漠然とした社会的目標を目指す上での市民の行動を考える上で非常に有効であることが確認された。この研究では、これまで市民運動などの社会学的研究では必要が指摘されていたが、功利主義的な分析手法の上には乗りにくかった「意識」概念を採り入れた研究の手法を開拓したことがオリジナルの貢献である。 本年度は、他の分野での政策研究に応用すべく、北海道の労働市場への応用を始めた。その出発点として、北海道内のUIターン市場のマッチング問題を取りあげ、求職者側、求人側の意識調査を行った。この研究では、環境市場と同じく北海道内では市場が十分に成長していないUIターン市場のマイクロなデータが既に得られているので、本研究課題の成果を応用する予定である。
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Research Products
(6 results)