2013 Fiscal Year Annual Research Report
我が国の最適航空ネットワーク政策に関する理論とそのシミュレーション
Project/Area Number |
23530354
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Research Institution | Kumamoto Gakuen University |
Principal Investigator |
坂上 智哉 熊本学園大学, 経済学部, 教授 (50258646)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 康彦 熊本学園大学, 経済学部, 准教授 (80331073)
川崎 晃央 鹿児島大学, 教育学部, 准教授 (10452723)
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Keywords | ネットワーク経済学 / 進化計算 / 国際線 / 空港運営 / 民営化 |
Research Abstract |
本年度は,航空ネットワークモデルの応用研究として国際線に関する理論とシミュレーション分析を手掛けた.具体的には,(1)従来の国内線を主とした最適ネットワークに関する研究を国際線へと拡張し,(2)ハブ空港の国際間ネットワークの規模と空港の民営化に関する研究を行い,以下の成果が得られた. まず(1)の研究については,乗継便の影響が直行便の利潤の中に含まれるネットワークモデルへと修正を試みた.モデルの扱いやすさと結果の明瞭さから,乗継便の利潤を明示的に記述したモデルが好ましいと判断したためである.シミュレーション分析の結果,現状の国際線ネットワークは最適ネットワークよりも過剰になる傾向があり,特に太平洋線が過剰になっていることが明らかになった. 次に(2)の研究では,航空ネットワークに加え,空港運営の問題にまで踏み込んだ.日本のハブ空港はアジア地区の他の国々とのハブ化競争に直面している.その競争のなかで,空港の民営化の議論が必ず挙がってきた.そこで,国内のハブ空港において,どの程度のネットワークを所有していれば空港の民営化につながるのか,理論分析を通して明らかにしてきた.その結果,国内のハブ空港が多くの国際線を結ぶネットワークを保有している場合,国内のハブ空港は公営で,わずかの国際線を結ぶネットワークを所有する空港は民営化が進むことが明らかにされた. 最後に,アルゴリズム研究として,A Society of Population Based Incremental Learners (SPBIL)をネットワーク最適化と同様の問題である組み合わせ最適化に応用するベンチマークテストを行った.その結果,優れた性能を有することが明らかになり,航空ネットワーク最適化への応用にも期待が持てるアルゴリズムであることが分かった.
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